- 塾用教材を使うメリットとデメリット
- 塾用教材の個人購入におすすめな専用Webサイト
- 塾用教材を安く購入する方法
勉強を進める上で大切なポイントはいくつかありますが、中でも使用する教材やテキストは成績アップに欠かせません。どのような教材を使って教えるのか、勉強するのかを考えることは、指導者、学生、双方にとって重要な点です。
そこで選択肢にあがるのが「塾用教材」ではないでしょうか?市販の教材よりもしっかりと作り込まれていることが多いため、「塾用教材を自分で購入したい」と考える教育関係者、学生は非常に多いです。
この記事では、塾用教材を使うメリットやデメリットに加え、塾用教材を個人購入する方法を現役の家庭教師が分かりやすく解説していきます。
現役家庭教師が解説する塾用教材のメリットとデメリット
多くの家庭教師や学生は市販の教材を使って勉強を指導、進めていきますが、塾用教材を上手に使うことで勉強の効率を高めることができます。
一方で、当然デメリットも存在するので、現役家庭教師目線で「塾用教材のメリットとデメリット」を解説していきます。メリットとデメリットをしっかり把握して塾用教材を使わないと、効果が思うように出ないこともあるので、塾用教材を購入しようと考えている方は要チェックです。
メリット
まずは以下の3つのメリットから解説していきます。
- 質が高い
- レベルや難易度に合わせて選べる
- 教科書準拠で選べる
どれも事前に知っておくべき内容なので、順番に確認していきましょう。
質が高い
現役の家庭教師目線で見ると、塾用教材は市販の教材よりも質が高いものが多いです。質が高いといっても漠然としていますが、具体的には以下の点があげられます。
- 問題数が多く十分な演習をこなせる
- 学校の授業から定期テスト対策までこなせる
- 解説が丁寧で充実している
塾用教材の最も質が高いと感じる点は「問題数が多い」ところです。そもそも、塾用教材は「指導者が付き添う」ことを前提にして作られているので、市販の教材にありがちな「解説ページ」がありません。
市販の教材のよくあるパターンとして、左ページに単元の解説を配置し、右ページにその単元の問題を配置するものがありますが、塾用教材では解説が「左ページの上の隅」くらいにしか存在せず、あとは一面で問題がビッシリと並んでいる、ような構成のものが多いです。
したがって、一冊で「理解から定着まで」しっかりとこなせるので、指導者目線でこれほど使いやすい教材はありません。市販教材の場合、「理解用と定着用の2冊を用意」することも珍しくないので、教えるという点では塾用教材の方が使いやすいといえます。
レベルや難易度に合わせて選べる
塾用教材のメリットとして、「レベルや難易度に合わせて選べる」点があげられます。
学習塾では上から下まで、幅広い学力層の生徒に対応しなければいけないため、塾用の教材はシリーズごとに、レベル別に細かく製作されることが多いです。一方で、市販教材も同じようにレベル別に作られてはいるものの、塾用教材ほど細かくは作られないことが一般的。
具体的にどのくらい細かく作られているのかというと、生徒の学力を1から10の10段階に分けるとすると、市販、塾用はそれぞれ以下のように作られる傾向にあります。
【市販教材】
- 1〜4
- 4〜7
- 7〜10
【塾用教材】
- 1〜3
- 3〜5
- 5〜7
- 7〜9
- 10
これはあくまで一般化したものなので、もっと大雑把なレベル分けの企業、教材もありますし、もっと細かく分けられているものも同様です。それでも、市販教材は3段階、塾用教材は5段階という傾向が見られるので、よりレベルにマッチした教材を選びたいなら塾用教材がおすすめです。
教科書準拠で選べる
小中高で学ぶ内容は学習指導要領にとって定められており、これに沿った教科書を各企業が販売し、それを各学校が採択しています。したがって、学校によって使用する教科書が異なるため、市販教材を使用すると単元の学ぶ順番が異なったり、用語解説の言い回しが違ったりといった問題が生じやすいです。
一方で、塾用教材の中には教科書に合わせた「教科書準拠」が多いので、それぞれの教科書に最適化された教材で勉強を進められます。
もちろん、市販教材の中にも教科書準拠のものはありますが、一度書店で中身をチェックしてみるとわかるように、あれは教材というよりは「学校ワーク」に似ています。教科書の内容をそのまま移植しているような、そんな内容となっているため、「教科書の内容に加えて、より高度な内容を学びたい」というニーズを満たすには、少し物足りません。
したがって、教科書準拠で質の高い勉強をしたい、させてあげたい方には、教科書準拠の塾用教材がおすすめできます。
デメリット
ここまで塾用教材のメリットを紹介してきましたが、もちろんデメリットも存在します。具体的には以下の2点です。
- 独学に向かないものが多い
- 購入するのが難しい
どちらも事前に知っておくべきものなので、順番に解説していきます。
独学に向かないものが多い
先述のように、全ての塾用教材は塾で使うことを前提としているので、独学には向かないものが多いです。塾用教材の最大のメリット「問題数が多い」という特徴は、逆にいえば「解説ページを省略して、問題をより多く掲載している」ともいえるため、独学で進める難易度は高いといえます。
一方で、市販教材は問題数を少なくする代わりに、解説ページを充実させているため、どちらも一長一短です。少なくとも、完全独学で塾用教材を使う場合は、メリットよりもデメリットの方が大きくなりがちなので、あまりおすすめできません。
市販の分かりやすい教材を使うか、家庭教師をつけて、授業で使って欲しい塾用教材を提案するなどして対応すると良いでしょう。
ちなみに、このWebサイトを運営するオンライン家庭教師サービス「まなぶてらす」では、指導方法や授業内容に縛りは一切ありません。使用教材も何でもOKなので、教える人、教わる人どちらにも嬉しいオンライン家庭教師です。気になる方は、以下の記事を参考にしてみてください。
https://www.oshieru.work/manabuterasu-class/
購入するのが難しい
この記事のテーマでもありますが、塾用教材を手に入れるハードルは非常に高いです。
塾用教材が欲しい方の中には「なんで普通に販売してくれないのか」と考えてしまう方もいるかもしれませんが、塾にとっては塾用教材を市販することで得られる利益よりも、「この教材を使いたいから入塾したい」という一種のプレミア感の方が大切なこと。
だからこそ、昔から常々言われている「塾用教材の市販化」は、いつになっても実現しないのです。
一方で、一部の塾用教材は、誰でも手に入れられるのも事実。裏ルートなど、怪しい購入経路ではなく、至って普通の購入方法で手に入れられるものなので、次の章で詳しく解説していきます。塾用教材を手に入れたい方は参考になるはずです。
- 塾用教材は質が高く、問題数が多いので成績を上げやすい
- 問題数が多い反面、解説ページが少なく独学には不向き
- 手に入れにくいが、教材によっては個人でも購入できる
塾用教材を個人購入するおすすめ方法5選
通常、塾用教材はその塾に入塾しないと手に入れるのが難しいため、塾に入っていない場合は市販の教材を使うことが一般的です。しかし、塾用教材は完成度が高く、現役の家庭教師目線でも「いつもの授業で使いたい」と考えることもあります。
そんな時に検討する入手手段には、以下のものがあげられます。
- ネットオークション・フリマアプリ
- 塾用教材専門サイト
- 一般ネットショップ
- 実店舗
- 業界関係者に融通してもらう
これらの方法は一般の方でも利用できるので、ぜひ覚えておいてもらいたいポイント。それぞれ順番に解説していきます。
1:フリマアプリ・ネットオークション
塾用教材に限らず、教材を手に入れようと考えた時に、まず優先して利用したいのがフリマアプリやネットオークションです。業界関係者やテストや受験が終わって不要になった方々が安く出品している場合があるため、出来るだけ安く教材を入手したい時に利用したい方法だといえます。
一方で、フリマアプリもネットオークションも個人売買になるので、トラブルが生じるリスクは受け入れる必要があります。必ず事前に以下の点を確認してから購入してください。
- 新品か中古か
- 最新版かどうか
- 準拠する教科書
- 書き込みの有無
これらの点をチェックした上で購入すれば、トラブルを未然に防ぐことができます。
フリマアプリ
フリマアプリが台頭する以前は、ネットオークションで教材を安く仕入れられるかどうかをチェックしていましたが、今はフリマアプリがメインになりつつあります。ネットオークションよりも利用しやすく、スピーディーに取引ができるので、最もおすすめできる入手方法です。
上記の画像は、教育業界でも評価が高い教育開発出版株式会社の「新中学問題集」をメルカリで検索した結果になります。
各学年、科目の中古から新品が幅広く出品されており、お値段も1,000円〜3,000円程度と、法外な転売価格を設定している出品者は少ないため、この中からお目当てのものを選べば問題なく塾用教材を手に入れられます。
ネットオークション
フリマアプリに次いで塾用教材を安く手に入れられるのが、インターネットオークションサイトです。代表的な存在はヤフオク!ですが、試しにエデュケーショナルネットワークの評価の高い専用教材「標準新演習」を検索してみました。その結果が上記画像です。
メルカリと同様、こちらも各学年、各科目の商品が常識的な価格で出品されているので、おすすめの入手方法です。
フリマアプリと比べて新品未使用品の割合が高いため、まっさらな状態の塾用教材を入手したい時に利用したい方法でもあります。
2:塾用教材専門サイト
フリマアプリやオークションサイトは割安に塾用教材を入手できる可能性がありますが、個人売買を不安に感じる方も多いはずです。信頼できる経路から新品未使用品を入手したい場合は、「塾用教材専門サイト」の利用がおすすめできます。
塾用の教材はプレミア価値があるので多少割高にはなってしまいますし、全ての塾用教材を網羅しているわけではないものの、信頼できるサービスを選べば普通に買い物をする感覚で入手できるので、知っておいて損はない入手方法です。
以下で、おすすめの塾用教材専門Webサイトを紹介していきます。
育之書店
育之書店(いくのしょてん)はインターネットショッピングサイトを簡単に作れる「BASE」というプラットフォームで運営している、塾用教材を専門に扱うショップです。
個人で運営しているので不安に感じる方もいるかもしれませんが、「特定商取引法に基づく表記」にて事業者名や住所、連絡先などの情報を開示しているため、情報の透明度が高く安心して利用できます。
扱っている商品も、Keyノートやiワーク、シリウスなど、有名どころをしっかりと押さえていて、マニアックなものでなければ揃っている印象です。
また、価格設定も良心的で、
こちらの商品はiワークの中学歴史ですが、別冊解説や小プリントが全てセットになっていて、新品で2,200円で購入できます。完全に揃った状態の新品の塾用教材がこのお値段で手に入るのは魅力的ですよね。
商品を選ぶ時、シリーズ別、科目別、学年別にソートができればより使いやすいですが、商品名で検索すればお目当ての教材を見つけられます。
また、決済や購入はBASEを通じて行われるので、個人情報の取り扱いという点でも、完全個人で運営しているサイトよりは安心できます。
庵書房
こちらの庵書房は、個人で運営している塾用教材専用Webサイトです。メルカリやBASEなどのショッピングサイトを介すのではなく、完全な形での個人売買になりますが、多くの方がおすすめしているWebサイトなので、信頼性は高いと見て問題ありません。
また、先ほどの育之書店はお目当ての教材を見つけるのが少し難しかったですが、庵書房は小学生〜高校生までで商品をソートできる上に、
- 新小学問題集
- 新中学問題集
- ピラミッド
- マイクリア
- 中学数BEKI
- Keyワーク
- 高校リード問題集
- 高校ファーストステップ問題集
- 漢字練習帳
以上のシリーズごとにもソートができるため、扱っている商品含め、非常に分かりやすいのが魅力。商品価格も2,000円前後と法外な転売価格ではないため、購入しやすいといえます。
各商品紹介ページでは、
こちらの画像にあるように、難易度や改訂版に関する情報などが明確に記載されています。少しWebサイトのデザインが古い感じはするものの、しっかりと作り込まれているので利用する価値はありますよ。
CHUOHネットショップ
CHUOHネットショップは、豊富な品揃えとWebサイトの使いやすさが魅力の安心して利用できるネットショップです。「塾用教材の専門店」と公式サイトに記載がありますが、塾用教材以外にも学習塾運営に関わる備品なども販売しています。
公式サイトを見てみると、「塾関係者しか購入できない」ことが記載されていたので、生徒が個人で購入することは残念ながらできません。一方で、塾ではなく家庭教師は購入できるのかどうかが気になったので、直接質問をしてみました。
すると、以下のようなメールが返ってきたので、本文ママ引用させていただきます。
弊社では学習塾様を対象に教材を販売しております。個人塾・家庭教師をされている場合もお取引が可能です。
ご覧のように、個人塾や家庭教師の先生なら個人購入は可能ということだったので、「個人単位で教育業に従事している」方でも利用できます。
そして、CHUOHネットショップの魅力は、とにかくWebサイトが利用しやすい点です。
- 学年・教科で詳細検索ができる
- 目的別に教材が探せる
- カートやマイページ機能がある
このように、一般的なインターネットショッピングサイトと同じようなスタイルで買い物ができるので、利用のしやすさはダントツでNo.1だと感じます。
また、品揃えも非常に豊富で、
- 小学生
- 中学受験
- 公立中高一貫校受験対策
- 中学生
- 高校受験
- 高校生
- 大学受験
小中高のあらゆる教材を扱っているため、お目当てのものが見つかる可能性が非常に高いです。教育業に携わる人間にとっては、「こんな教材もあるんだ」と新たな発見も得られるので、ぜひ一度Webサイトを覗いてみてください。
Juku Suite
こちらの「Juku Suite」も塾用教材を扱う専門サイトですが、個人購入はできず、基本的には塾向けに販売を行っているとの記載が公式サイトにあります。個人塾や家庭教師でも購入できるのかを問い合わせたところ、以下のような回答をいただきました。
家庭教師をされているとのことですので、お取引は可能です。
したがって、個人単位で働いている教育従事者なら問題なく利用できます。
Juku Suiteの魅力は、塾業界大手のZ会グループが運営している点です。Z会といえば、小学生から高校生まで年代問わず、良質な市販教材を生み出している優良企業ですが、Juku Suiteでは以下のような教材を扱っています。
【小学生】
【中学生】
【高校生】
Z会系列ということもあり、他社よりも教材のラインナップに少し偏りがある感じもしますが、それでも学年問わずさまざまな教材が扱われていることがわかります。また、これ以外にも夏期講習や冬季講習など講習用の教材や、英検対策教材なども扱いがあります。
教材の選択肢を広げたい教育従事者は一度チェックしておくことをおすすめしたい塾用教材サイトです。
3:一般ネットショップ
続いて、塾用教材専用のWebサイトではなく、一般のネットショップで塾用教材を手に入れる方法を解説していきます。
Amazonや楽天では日用品からマニアックなものまで非常に幅広く取り揃えていますが、塾用教材も取り扱っているので、個人での入手先として選択肢にあがります。
これらのWebサイトは大手で誰もが利用する安心感があるので、使い慣れている場合はこちらを利用しても良いでしょう。以下で、Amazonと楽天での塾用教材の購入について解説していきます。
Amazon
まずは誰もが知るネットショッピング最大手Amazonですが、新中学問題集を商品検索してみました。その結果が上記画像ですが、フリマアプリや塾用教材専用Webサイトと比較して、お値段が1.5倍〜2倍程度割増になっています。
一方で、各種レビューなども付いている商品が多いので、教材の評価を確認したい時には非常に便利。この辺りはさすがのAmazonだといえそうです。
とはいえ、他の場所で安く買えるものを割高で購入するメリットはあまりないので、「大手を間に挟んで安心して購入したい」「セキュリティがやっぱり心配」などの理由がない限りは、フリマアプリや塾用Webサイトを利用した方が良いかもしれません。
楽天市場
続いて楽天市場ですが、こちらはAmazonよりもお安く出品がされているものの、その多くが中古品で出品されていたので、新品で手に入れたい方にとっては少し気になる点かもしれません。
また、Amazonより安いといっても、フリマアプリや塾用教材専用Webサイトなら新品で同程度のお値段で購入できるので、わざわざ中古品をこのお値段で手に入れるのは賢いとはいえません。
しかし、品揃えは色々な出品者が参加していることもあり、非常に充実していました。マイナーな教材などを手に入れたい場合は、楽天市場で検索をしてみるのも良いでしょう。
4:実店舗
塾用教材の購入先として、最後に選択肢にあがるのが実店舗ですが、選択肢が多いとはいえません。大都市に数店舗ある程度であり、多くの方は足を運べないので、実店舗で塾用教材を購入するのは難しいです。
もし実店舗で塾用教材を全国で販売していたら、塾に入るメリットが薄れてしまい、出版している塾にとっては大きなダメージになってしまうため、今後も実店舗で手に入れるのは難しいといえます。
5:業界関係者に融通してもらう
おすすめの塾用教材専門Webサイトのところでも紹介したように、多くのWebサイトは「教育業従事者なら販売可能」としています。したがって、業界関係者なら塾用教材は手に入れやすいので、そういった人に融通してもらうのも一つの選択肢です。
身の回りに塾や家庭教師関係者がいれば、お願いして代わりに購入してもらうのも良いでしょう。正規の値段で購入できるので、他の購入ルートよりも安く購入できる可能性もありますよ。
塾用教材を活用して成績UPを目指そう
塾用教材は市販教材よりも成績アップに直接つながる内容になっており、使い方によっては大きな効果を発揮します。
一方で、個人で全ての教材が手に入るわけではないので、自分が欲しい教材を記事で紹介したWebサイトなどを参考に、調べてみましょう。