- 生徒がやる気を出さないことの本質
- やる気のない生徒に有効な5つの対処方法
- 面白い授業をするためのポイント
学校の授業や塾、家庭教師の授業では、「生徒のやる気」がとても大切です。指導者側がどれだけ熱心に授業を行っても、肝心の生徒のやる気が引き出せないと、効果的な授業にはなりません。
一方で、生徒のやる気の引き出し方に決まった方法論がないため、「どうしたら生徒のやる気を引き出せるのか」と悩んでしまうもの。指導者側のアプローチで生徒の目の色が変わり、勉強に対する意識を変化させられれば、教育者としてひとつレベルアップできます。
この記事では、やる気のない生徒を勉強に集中させる効果的な方法を徹底的に解説していきます。現役の先生や塾、家庭教師の講師必見の内容となっているので、やる気のない生徒の指導方法に悩んでいる方は参考にしてみてください。
生徒がやる気を出さないことの本質を理解しよう
勉強を教える立場にある我々指導者の多くは、学生時代に比較的スムーズに机に向かうことができたはずなので、「なんでこんなにやる気を出してくれないんだろう」と、子供の気持ちが理解できていないかもしれません。
したがって、生徒のやる気を引き出すためには、「なぜ、子供は勉強に対してやる気が出ないのか」を知ることが非常に大切です。
まずは生徒が勉強や授業にやる気を出さないことの本質を理解し、生徒と同じ目線に立つことを意識しましょう。
子供が勉強を始める動機には「4つ」ある
子供に限らず、人間は何かを始めるに当たって必ず「動機、きっかけ」が存在します。この動機が自分の中で強く確立されていれば、よりやる気を持った状態で何かに取り組むようになるのは、これまでの人生で多くの指導者が経験済みなはずです。
一方で、勉強に対してやる気を持てない子供にとって、勉強とは「やりたくないのにやらなければいけないこと」なので、勉強を始める動機が曖昧であることが多いです。
したがって、指導者が「子供が勉強を始める動機」を知ることが、子供のやる気を出す上で欠かせませんが、この動機には以下に示す4種類あることがベネッセの調査によって明らかになっています。
- 内発的動機づけ
- 同一化的動機づけ
- 取り入れ的動機づけ
- 外的動機づけ
この4つの動機づけはそれぞれ全く異なる特徴を持っていますが、上に行けば行くほど「自律的な学習」を行いやすくなり、やる気を持って勉強をするきっかけになってくれます。
それぞれの動機づけについて、以下で詳しく解説していきます。
参考:小中学生の学びに関する調査報告書(2015) – ベネッセ
内発的動機づけ
内発的動機づけとは、読んで字のごとく、人間の内なる心から湧き出てくる「おもしろさ」に従って行動できる、いわば「やる気スイッチオン」の状態です。モチベーションが最高潮なので、誰からも指図されることなく、自律的に自分から進んで行動に移します。
「生徒がこの状態になってくれればどれほど楽か」と感じてしまう先生も多いかもしれませんが、このレベルを子供に求めるには少し酷です。なぜなら、内発的動機づけとは、
- 志望校に合格したいから勉強する
- 目標を達成するために勉強する
- 誰かに負けたくないから勉強する
このような「目標や目的を達成するため」の動機は含まれず、「ただただ勉強が面白いからする」状態を指すからです。
したがって、勉強に対してやる気を持てない子供に、いきなり内発的動機づけをさせようとするのはあまりに無謀。もちろん、教育者として目指すべき理想の状態ではありますが、現実的な動機づけとしては、以下で解説するもう少し低めの動機づけを目指した方がベターです。
同一化的動機づけ
続いて解説するのが、内発的動機づけよりひとつ弱い動機づけの「同一化的動機づけ」です。この動機づけは、
- 大学へと進学して研究者になりたい
- 勉強して医者になりたい
- 志望校に合格したい
このような、「大きな目標」を達成するために、自ら進んで行動するものを指します。
一見すると、この動機づけは「高い積極性」を持っているように見えるかもしれませんが、勉強を何かを達成するための手段としている、つまり「勉強そのものが目的になっていない」という点で、前述の内発的動機づけとは本質的に異なります。
一方で、勉強そのものを目的として行動できる子供は非常に少ないため、指導者として目指すべき動機づけとして最も現実的であることも事実です。実際、今でこそ教育に携わっている我々のような人間の大半も、この同一化的動機づけによって学生時代に机に向かっていたはず。
したがって、やる気のない生徒からやる気を引き出すためには、自律的に机に向かってもらうためにも、大きな目標に向かって邁進させられるようなサポートを行うことが大切だといえます。
取り入れ的動機づけ
同一化的動機づけよりまたひとつ弱い動機づけが、「取り入れ的動機づけ」です。この動機づけの特徴は、
- 誰かを見返したいから勉強する
- 誰かに負けないために勉強する
- 勉強ができないと恥ずかしいから勉強する
このように「競争心や羞恥心を原動力とする」点です。
先述の同一化的動機づけの場合は、大きな目標を達成するために自ら進んで行動できますが、取り入れ的動機づけの場合は「やらないといけない」という義務感が伴うため、この点が相違点になります。
いわば、同一化的動機づけは「自律的」であるのに対し、取り入れ的動機づけは「他律的」であるため、本質的に見れば「やる気スイッチオン」の状態とはいえません。
しかし、「誰かに負けたくない」「もっとちゃんとできる自分になりたい」という気持ちそのものが否定されるべきものではないので、生徒の中に熱い心が眠っていれば、それを引き出してやる気につなげることも、やる気を出すためのひとつの方法論かもしれません。
外的動機づけ
最後に解説するのが「外的動機づけ」です。ここまでくれば大体予想はつくかもしれませんが、この動機づけの特徴は、
- 先生に叱られたくない
- お母さんにグチグチ言われたくない
- 勉強をしたらご褒美がもらえる
このような「極めて他律的」である点です。勉強そのものに全く意味を見出せず、外部からの働きかけがないと行動に移せない状態であり、「生徒のやる気を引き出したい」という悩みを持っている指導者の生徒も、この外的動機づけの状態に陥っているはずです。
したがって、やる気のない生徒からやる気を引き出すには、まず「外的動機づけを抜け出す」ことが当面の目標になります。外的動機づけと取り入れ的動機づけの間には大きな壁が立ちはだかっているので、この壁を越えられるよう、さまざまな角度からアプローチを重ねていきましょう。
指導者に全責任があるわけではない
生徒の勉強に対するやる気の本質を「4つの動機づけ」という観点から解説してきましたが、共感できる部分も多かったはずです。私たちが日頃、子供たちと触れ合う中で感覚的に理解していた部分を言語化してくれているため、今後の参考にしてみてください。
一方で、外的動機づけの状態にあり続ける子供が、勉強に対して他律的で消極的であることの責任は、指導者だけが負うべきものではないことは理解しておきましょう。
「指導者ができること」にフォーカスしよう
なぜなら、物事に対する動機づけは「家庭環境」にも大きく左右されるからです。幼い頃から、伸び伸びと自分のやりたいことに集中できた子供と、何かを強制されるよう、常にプレッシャーを受けていた子供では、「動機づけの習慣そのもの」が違っていても不思議ではありません。
また、日常生活でゲームやスマートフォンなどの勉強以外の刺激に触れる頻度が多いと、当然勉強への関心は薄れますし、中には家庭環境が劣悪で「勉強どころではない」子供もいるでしょう。
したがって、我々指導者は「指導者ができること」にフォーカスして、生徒に触れることが大切です。次の章では、指導者の立場からできる「やる気のない生徒に有効な5つの対応方法」を解説していきます。
- 人間のやる気には「4つの動機」が関係している
- 大きな目標に向かって行動する「同一化的動機づけ」を意識する
- 「指導者ができること」にフォーカスして生徒にアプローチし続ける
やる気のない生徒に有効な5つの対応方法
ここからは、やる気のない生徒に有効な「5つの対応方法」を解説していきます。その内容は以下の通りです。
- やる気が出ない原因を理解する
- 実現可能な目標を設定しサポートする
- 勉強から喜びを得られるよう工夫する
- 成績アップをやる気へとつなげる
- 私生活へとアプローチする
表面的な対応ではなく、根本、本質からアプローチしていく方法を解説しているので、参考にしてみてください。
やる気が出ない原因を理解する
やる気を引き出せない生徒に直面した時、指導者が最初にすべきことは「やる気が出ない原因の理解」です。
どうしてやる気が出ないのかは生徒によって大きく異なりますが、原因がわかっていないと効果的な指導やアプローチができないので、まずは理解からはじめましょう。
「同じ目線に立って考える」ことが何よりも大切
やる気が出ない原因を探る上では、必ず「同じ目線に立って考える」ことを意識しましょう。勉強に対してやる気がない生徒に「どうして勉強にやる気が出ないんだろう?」と聞くと、大抵の場合で以下のような答えが返ってきます。
- やる意味がないから
- 面倒だから
- 他のことをしていた方が楽しいから
これらの答えは指導者側からすると、幼稚で甘い考え方のように思えてしまうものですが、これらの答えこそが生徒の「現実」なのです。この答えを否定してしまうと、生徒の心はさらに勉強から離れていってしまうので、
- 確かに、やる意味はなかなか感じられないよね
- 分かる、先生も中学生の時は勉強がめんどくさかった
- ゲームとかの方が勉強なんかより楽しいよね
このように、まずは生徒の現実を受け入れる姿勢を、対話を通してアピールしましょう。このような姿勢を見せることで、生徒の心は「この人ならわかってくれるかもしれない」という方向へと傾き、指導者の話を素直に聞き入れてくれるようになります。
子供の心を変えるには時間がかかる
一方で、指導者側が肝に銘じておくべきなのが「生徒の成長には時間がかかる」という点です。
勉強に対してやる気を見出せない子供の場合、勉強に対して一種のアレルギーを持っているので、やる気を引き出すには相応の時間がかかります。
対話を重ねた結果、「今日は授業にしっかり取り組んでくれたな」と子供の成長を感じられたと思ったら、その次の授業でやる気のない状態に元通り、なんてことは日常茶飯事。
したがって、生徒のやる気を引き出す上では「忍耐力」が求められます。できないことよりもできるようになったことに目を向け、少しずつ、着実に成長する生徒を優しく見守る姿勢を心がけてください。
実現可能な目標を設定しサポートする
生徒のやる気を引き出す上では、「実現可能な目標を設定すること」が大切です。先述のように、やる気に関連する「動機づけ」には4種類ありましたが、中でも大きな目標に向かって邁進する「同一化的動機づけ」が、多くの子供が目指すべき理想の状態だとお話をしました。
一方で、やる気のない生徒に対して、いきなり「志望校を決めよう」「英検を取ろう」などと提案しても拒絶されてしまうだけなので、簡単に実現できる目標を設定することが大切です。
大切なのは「スモールステップ」
皆さんは「スモールステップ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?簡単に説明すると、「小さな目標をコツコツ達成して、少しずつ自信をつけていき、行動を重ねること」を指しますが、このスモールステップには以下のような効果があることが明らかになっています。
- 課題達成自己効力感(自信)の増大
- 思考が整理しやすくなる
- 行動力が上がる
出典:スモールステップ方略が目標達成に及ぼす影響 – 信州心理臨床紀要 第15号 2016年
どれも子供に対して良い影響を与えるものですが、なぜスモールステップによってこのような効果が現れるのかは、以下のように考えられます。
- 自分で立てた目標を達成できるから自信が深まる
- 小さな目標なので計画が立てやすいから思考が整理される
- 簡単に達成できる目標なので行動しようと思える
これを見れば、なぜスモールステップが有効なのかが一目瞭然です。概して、やる気のない生徒は、勉強に対する自信を失っており、何をやるべきなのか混乱していて、なかなか行動に移せない、という問題を抱えているので、一緒に「小さな目標」を立ててあげてください。
そして、少しずつ小さな目標を達成していくと、自然と「大きな目標」へと関心が向くものです。これこそが同一化的動機づけであり、やる気を持った状態で自律的に机に向かってくれるようになることでしょう。
「二人三脚」の意識を強く持とう
また、スモールステップに基づいて立てられた目標は、指導者から見れば「極めて小さな目標」と思えるかもしれません。しかし、生徒にとってはそうでないので、二人三脚の意識を強く持って、全面的にサポートしていく姿勢を見せましょう。
- わからないことがあったら何でも聞いて
- 少しずつでもいいから始めてみよう
- コツコツやっていけば必ず成長していくから大丈夫
このような声がけを積極的に行うことによって、生徒は安心した状態で目標達成に臨むことができます。孤立した状態で一人で行動するのか、それとも「サポートしてもらえる」と思える状態で行動するのか、このどちらが生徒に良い影響を及ぼすのかは言うまでもありません。
勉強から「喜び」を得られるよう授業を工夫をする
勉強に対してやる気を失っている子供は、総じて勉強を「つまらないもの」だと考えています。だからこそ、楽しさだけを提供してくれる、遊びやスマートフォンへと向かってしまうのです。
しかし、人間には誰しも「知的好奇心」が備わっているため、本来、勉強は面白くて楽しい、喜びを得られるものであるはず。したがって、勉強をつまらなくしているのは、我々指導者側であることを自覚しましょう。
授業を面白くする工夫は絶対に必要
勉強を楽しくて喜びを得られるものとするには、「授業を面白くする工夫」が絶対的に必要です。学校や塾、家庭教師の授業に面白さや楽しさを感じられなければ、やる気を出すきっかけを作れないのは当然のこと。
授業を楽しくする方法には、主に以下のようなやり方があります。
- 雑談などを通じて雰囲気を改善する
- 生徒に合った難易度に調整する
- 興味を持つものと絡めて指導する
どれも指導者にとって必須のスキルなので、順番に解説していきます。
雑談などを通じて雰囲気を改善する
授業の中で上手に雑談を交えることができれば、驚くほど子供の授業への取り組み方や態度が変わります。
子供は誰かの話を聞くよりも「自分のことを話したい」という純粋な欲求が強いため、ここを刺激できるような雑談ができれば、今までよりも積極的に授業に取り組んでくれるようになるでしょう。
現役家庭教師が実践する雑談テクニックを紹介した、以下の記事も参考になるかもしれません。
https://www.oshieru.work/tutor-chat/
生徒に合った難易度に調整する
授業を面白くする工夫の中には、「難易度の調整」も含まれます。人間誰しもが、複雑で難解なものに対しては拒絶反応を示してしまうので、まずは誰にでも理解できるような、簡単なものから扱っていくのが良いでしょう。スモールステップと似た側面があるかもしれません。
また、盲点になりがちなのが「教材やテキスト」です。多くの先生は授業で使用する教材を「分かりやすさ」だけで選ぶものですが、
- 文字の大きさはどの程度か
- 圧力を感じないようなレイアウトか
- 配色が興味を示すように工夫されているか
このような「デザイン面」で選ぶことも、特に勉強にやる気のない生徒に対しては極めて重要です。
学校の教科書のように、一面が小さな文字だけでびっしりと覆い尽くされていては、圧力を感じてしまうのは無理もありません。また、最近の子供はスマートフォンのカラフルでフラットなデザインに慣れ親しんでいるので、できれば二色刷りの淡白な教材は避けたいところ。
このような「子供目線に立った教材選び」はとても大切なので、強く意識して欲しい部分です。
日常生活と絡めて指導する
子供にとって勉強とは「日常生活とは独立したつまらないもの」であり、自分の興味を持てるものではないと思い込んでいます。
しかし、現在の教科書に掲載されていることの大半は、日常生活を送る上で知っておくべきものなので、指導者は「実生活と絡めて指導する」ことが大切です。
最も分かりやすいのが、理科と社会の2つの科目。特に理科は、「身の回りで起こること」にフォーカスした科目なので、植物の光合成を勉強する時には、「なんで植物は食事をしなくても生きていけるんだろう」といった知的好奇心を刺激するような疑問を投げかけ、出来るだけ生活と関連づけることが大切です。
もちろん、国語や数学、英語といった科目では、なかなか日常生活や興味を持つものに絡めるのは難しいかもしれません。しかし、これをどう乗り越えるかを考えるのが我々指導者の仕事なので、日々それぞれの科目と向き合い、「どうすれば興味を持つように教えられるのか」を探究する意識を持ってください。
安易な報酬は長期的に見るとマイナス
勉強から楽しさや喜びを感じてもらうことは、子供によりやる気を持ってもらう上で非常に大切ですが、「報酬や褒美をあげて勉強を楽しんでもらう」ことは出来るだけ控えるべきです。
先述の「4つの動機づけ」に話を戻すと、報酬や褒美を目的にして行動させることは、4つの中で最も程度が低い「外的動機づけ」と呼ばれるもの。報酬のため、褒美のためという意識が働くことで、勉強そのものに意味や意義を見出せませんし、自ら目標を立て行動する「自律性」を養うこともできません。
一方で、報酬や褒美を利用して机に向かわせることが100%マイナスになるかといえば、決してそうともいえない部分もあります。特に小学生や受験生を除いた中学生などの場合は、「机に向かうきっかけ」にはなってくれるからです。
大切なのは、報酬や褒美に依存するようなマインドを作らないこと。乱用すると「報酬がないと何もやる気にならない」となりかねないので、要注意です。
成績アップをやる気へとつなげる
多くの指導者は「やる気がないと成績が上がらない」と考えていますが、確かにこれは正しいように思えます。やる気を持ってしっかり勉強をするからこそ、大きく成績が伸びる。これは指導者の誰もが持っている共通認識でしょう。
一方で、生徒目線ではどうでしょうか?やる気のない生徒の多くは、「(彼らなりに)勉強しても、成績が思うように上がらないからやる気が出ない」と強く思い込んでいます。したがって、指導者が考えるべきは「やる気を出して成績を上げる」ことではなく、「成績を上げてやる気もあげる」ことです。
つまり、「やる気がない状態で成績を上げる」必要がありますが、これができたら苦労しません。やる気のない生徒は他律的で受動的なので、成績アップに必要な勉強量そのものを確保できないからです。
「勉強しないと成績なんて伸びるわけない」と指導者が感じてしまうのも無理はありませんが、この壁を乗り越えないと、やる気のない生徒のやる気は引き出せません。
最小限の勉強量でできることを模索する
やる気のない生徒の成績を伸ばす上で一番大切なのは、「最小限の勉強量でできることを考える」ことです。やる気があり、多くの勉強量を確保できる生徒なら、指導者側のやり方にも幅が生まれますが、勉強量が少ないとできることは大きく限られます。
したがって、「点数に直結する」部分をピンポイントで指導をしてあげて、とにかく「勉強すると成績が上がる」ことを実感させてあげましょう。
- 国語:漢字
- 数学:計算
- 英語:単語
- 理科・社会:用語
科目別に見ると、このような部分が「最小限の勉強量で、点数に直結する部分」だといえます。
これらにフォーカスして対策を行えば、「勉強したら成績が伸びた」と実感できるはず。勉強量が少ないのは仕方ないことなので、その中でできることを模索しましょう。
私生活へとアプローチする
勉強にやる気のない生徒の大半は、私生活に問題があります。スマートフォンを四六時中いじっていたり、ゲームにどハマりしていたり、睡眠時間が足りなかったり、生徒や家庭によって三者三様なので、対応が難しい部分があります。
また、このような私生活に関する問題は教師や塾、家庭教師の先生が対応できる範疇を超えているので、保護者や家庭へのアプローチも不可欠です。
保護者や家庭を巻き込んでみよう
したがって、生徒の様子から私生活に問題があると感じたら、保護者にヒアリングをして事実関係を確認しましょう。大抵の場合、保護者も問題意識を持っている場合が多いですが、「どうしたらいいのかわからない」と問題を先送りにしがちです。
ここから先の保護者対応は、先生の考え方によって大きく変わる部分だといえます。「私生活のことは家庭の問題だから」と全く踏み込まないのも一つの考え方ですし、「やる気を出して成績を上げるために必要」と考えて、保護者にアドバイスを送る先生もいるでしょう。
また、「困っているから放っておけない」と、人として感じる部分があって対応する先生もいるはず。
どのスタイルを取るかは人それぞれですが、一ついえるのは「保護者対応が出来る先生の方が需要がある」ということです。我々指導者の仕事は「成績を上げる」ことですが、成績を上げるために保護者対応が必要なら、保護者対応も業務の一つと考えるのが自然ではないでしょうか?
一方で、保護者対応には特有の難しさがあるのもまた事実です。信頼されるスマートな対応方法を解説した、以下の記事も参考にしてください。
https://www.oshieru.work/tutor-parent/
まとめ
生徒がやる気を出してくれないと悩むのは、指導者にとってよくあることです。何かを始めるための「動機」には4つの動機がありますが、この中でも目標に向かって自律的に行動する「同一化的動機づけ」を子供ができるよう、サポートをしていきましょう。
そして、このサポートには5つの方法があるので、紹介したものを中心に実践してみてください。