家庭教師は時給、報酬が高くやりがいも求められる魅力的な仕事ですが、一方で生徒と完全マンツーマンで指導を行い、保護者対応まで求められるため、何も準備をしない状態で家庭教師になることに不安を感じる方も多いです。
家庭教師としてスムーズに働いていくために、「事前に知っておくべきこと」「事前にするべきこと」はいくつかあります。現役家庭教師が徹底的に解説しているので、家庭教師デビューをしたい方は必読です。
家庭教師になる前に知っておくべきこと
家庭教師は担当する生徒によって業務内容が大きく異なるので、現場で働いていく中でさまざまなことを学んでいく「習うより慣れろ」タイプの仕事です。したがって、「まずは働いてみる」ことこそが最も大切なことですが、とはいえ「事前準備」があるに越したことはありません。
まずは、家庭教師になる前に知っておくべきことを解説していきます。
https://www.oshieru.work/manabuterasu-intro/
塾講師と家庭教師の違い
家庭教師という仕事は塾講師と比較することで理解しやすいです。両者は似ているようで大きく異なりますが、一体どのような点が共通していて、どのような点が異なるのでしょうか?
両者に共通している点は「指導をする」ことです。テストや入試でより良い結果を得るために、各科目の授業を行い結果を出す。これこそが、塾講師と家庭教師に求められる最大の仕事なので、お客さまが最終的に求める点は共通していることになります。
そして、大きく異なるのは「成績を上げる過程」です。一般的な学習塾は、一対多の集団授業、もしくは一対三、一対二の個別指導という形で授業、指導を行いますが、家庭教師は「完全マンツーマン」で指導を行うため、この違いが「家庭教師に求められる」ものを浮き彫りにします。
家庭教師に必要な資質とは?
では、具体的に家庭教師に求められるものとは何なのでしょうか?例を挙げていけばキリがありませんが、中でも必要なものは以下の4点に絞られます。
- コミュニケーション能力
- ディレクション能力
- 忍耐力
- 専門性
家庭教師は生徒だけでなく、保護者とも頻繁に対話をする必要があるため、「コミュニケーション能力」は欠かせません。また、完全マンツーマンという都合上、生徒を正しい方向へと導くためにあらゆることを管理する「ディレクション能力」も必要です。
そして、時にはなかなか成績が上がらず、生徒の変化をじっと待つ「忍耐力」も必要ですし、各科目をより分かりやすく、より深くまで指導する「専門性」も不可欠。
したがって、家庭教師になる前に、以上の4点を意識して磨いていけば、スムーズに働いていけます。「家庭教師に必要な資格やスキル」を現役家庭教師が解説した、以下の記事も参考にしてください。
https://www.oshieru.work/tutor-skill/
2通りの働き方がある
家庭教師として働く前に、「働き方」についても知っておくべきです。今までの家庭教師は生徒宅まで足を運び、そこでマンツーマンで授業を行う「訪問型」が主流でしたが、インターネットが普及した現在、訪問型の他に「オンライン家庭教師」も普及してきています。
どちらの働き方もメリットとデメリットがあるので、自分に合った働き方を選んでみましょう。参考までに、以下に訪問型とオンラインのメリットとデメリットをまとめてみました。
訪問型家庭教師
訪問型家庭教師のメリットとデメリットは以下の通りです。
【メリット】
- 初期投資がほとんどいらない
- 対面するので指導しやすい
【デメリット】
- 移動時間が稼働時間に影響する
- 身だしなみに注意が必要
- 社会情勢の影響を受けやすい
訪問型家庭教師の最大のメリットは、自分の身ひとつで始められるお手軽さです。初期投資が一切不要で、最低限のテキスト、教材があれば始められるので、「誰でもできる」という点ではオンラインより優れています。
一方で、訪問型の最大のデメリットは移動時間にあります。授業ごとにお客さまのご自宅まで移動しなければいけないので、「連続で授業をする」ことができません。稼働率が悪いので、稼げる金額にも大きく影響する点をどう見るかで、訪問型の評価は大きく変わってくるでしょう。
また、身だしなみにも神経質になる必要がありますし、ソーシャルディスタンスが求められる昨今では、訪問型のニーズが大きく減少する点も気がかりです。
オンライン家庭教師
続いて、オンライン家庭教師のメリットとデメリットをまとめてみました。
【メリット】
- 完全在宅なので稼働率が高い
- お客さまの住んでいる地域に制限がない
- 働き方の幅が広がる
- 社会情勢の影響を受けない
【デメリット】
- 初期投資が必要な場合がある
- 慣れるまで指導しにくい
オンライン家庭教師のメリットは多岐に渡りますが、「完全在宅」である点は見逃せないメリットです。移動時間が一切なくなるので稼働率が高まり、結果的に報酬も安定します。対面せずに授業を行えるので、社会情勢の影響をほとんど受けません。
また、インターネットが繋がっていれば授業ができるので、日本全国はもちろん、全世界にお住まいの方がお客さまになります。訪問型は住んでいる地域の周辺しかお客さまの対象にならないので、圧倒的に分母が違います。
加えて、インターネットさえあれば自宅でなくても授業ができるので、帰省や旅行などがしやすくなる点もメリットの一つ。非常に多くのメリットが存在することがわかります。
一方で、オンライン指導をするためにはパソコンやタブレットなどが必要になるので、人によっては初期投資が必要になるかもしれません。当然、一定以上の品質のインターネット回線も必要なので、「始めるハードル」という点では訪問型に劣ります。
また、生徒が隣にいないので、慣れるまで指導がしにくいというデメリットもありますが、逆にいえば「慣れれば問題ない」ため、総合的に考えると、これからの時代は「オンライン家庭教師」が家庭教師の主流になっていくように思えます。
2通りの契約方法がある
家庭教師として働く前に、「契約方法」について知っておくことも大切です。一般的な契約方法は、先生にお客さまを紹介する「登録センター」を利用する方法ですが、これ以外にもお客さまと直接契約する「個人契約」があります。
どちらもメリットとデメリットがありますが、家庭教師として働いたことがない状態で個人契約を行うのは難しいですし、慣れていない状態ではトラブルに巻き込まれる可能性があります。
したがって、はじめは登録センターを利用してお客さまを紹介してもらい、家庭教師という仕事に慣れていきましょう。訪問型、オンライン、共に登録センターは豊富に存在するので、自分に合いそうなサービスを選んでください。
- 家庭教師は塾講師とは違ったスキルを求められる
- 訪問型に加え「オンライン家庭教師」という働き方も視野に
- 個人契約はリスクがあるので、まずは登録センターやサービスを利用しよう
家庭教師になるためにやっておくべきこと
家庭教師になるためには、「事前にやっておくべきこと」もいくつか存在します。とはいえ、実際に働いていく中で身につけていくことが多いのも事実なので、ここでは「家庭教師になるためにしておきたいこと」を以下の3点に絞って解説していきます。
- 指導したい層を決める
- 各科目の復習をする
- 登録センター、サービスを利用する
この3つに絞って取り組むことで、スムーズに家庭教師になることができるので、順番に確認していきましょう。
指導したい層を決める
家庭教師として働いていく上で、まず決めておかなければいけないのが「指導したい層」です。家庭教師を利用するお客さまは、小学生、中学生、高校生に大きく分かれますが、このうち、どの層を担当していきたいのかをしっかりと決めておきましょう。
それぞれの層の特徴やメリット、デメリットを以下にまとめてみました。
【小学生】
- 有名大学の系列中学からエスカレーターで大学まで進学を目指す学歴戦略が一般化しつつある
- 中学受験者数は増加傾向なので狙い目
- 中学受験対策は極めて高度な専門性を求められるので、自信がないなら中学生、高校生がおすすめ
【中学生】
- 定期テスト対策から高校受験対策まで幅広いニーズが存在
- 指導難易度が低いため、駆け出しの先生にはもってこい
- やる気がない生徒をどのように導くのかが最大のポイント
【高校生】
- 定期テスト対策よりも大学受験対策がメイン
- どの先生にとっても一番記憶に新しい受験なので指導しやすい
- 難関校受験まで対応できると多くのお客さまの需要を取り込める
ご覧のように、小中高と求められるものが変わってくるので、自分の学力やスキル、適性を考慮した上で指導する層を選びましょう。指導難易度が易しい順に並べると、
- 中学生
- 高校生
- 小学生
このようになるので、自信がない先生はまずは中学生から担当していくとスムーズに家庭教師として働いていけます。それぞれの層の特色をもっと知りたい方は、より掘り下げて解説している以下の記事も参考にしてください。
https://www.oshieru.work/tutor-skill/
各科目の復習をする:研修
小中高の中で指導したい層を決めたら、次に各科目の復習を行っていきます。どのような家庭教師センター、サービスでも、登録時に簡単な学力テストを行うので、最低限の学力を身につけておく必要があります。
復習の方法は千差万別ですが、基本的には自身が現役時代に使っていた問題集や参考書を使用して、新しい知識を身につけていくというよりは、「既存の学力を取り戻していく」イメージです。
それほど本格的な学力テストは行わないので、一通り復習をし終わったら登録センターやサービスに応募をしていきましょう。
「指導」を意識した復習を
また、現役時代の学力を取り戻していく過程では、ただ復習するのではなく、「指導を意識した復習」を心がけてください。
当然のことですが、「分かる」のと「教えられる」のは似ているようで全くの別物です。一例として、中学数学の「マイナスの引き算」があげられます。
家庭教師を志す先生なら、「2-(-4)」の答えが「+6」となることは復習するまでもなくわかるはずです。しかし、いざここを教えようとすると、「なんで-4がプラスになるんだろう」と疑問に感じるはず。
そして、自分が疑問に感じることは、必ず生徒も疑問に感じるので、このような疑問をひとつひとつ解消をしていくことが、「指導を意識した復習」になります。
自分で解ける問題でも、他人、特に思考力が未熟な学生に指導を行うことは非常に難しいため、「ここを教えるとしたらどう教えよう」という目線を持つことが極めて重要です。
https://www.oshieru.work/tutor-training//
登録センターに応募する
指導する層を決め、指導を意識した復習を終えたら、いよいよ家庭教師センター、サービスへと採用のために応募をしていきます。
訪問型とオンライン、どちらのスタイルで授業を行うのかを踏まえた上で、自分に合っていそうなサービスを選んでください。
不安なら「サポート体制」にこだわろう
はじめて家庭教師として働く場合は、「上手く働けるかな」と不安に感じてしまうものです。授業に自信がない、保護者対応が心配など、不安要素が多いなら、サポート体制にこだわって登録センターを選んでみましょう。
参考までに、このWebサイトを運営するオンライン家庭教師サービス「まなぶてらす」では、以下のサポート体制を全ての先生に提供しています。
- 先輩の先生に何でも質問できる掲示板制度
- 安定してお客さまを獲得するための営業研修
- 何かあった時も安心な収入補助制度
「まなぶてらすのサポート体制」についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
https://www.oshieru.work/manabuterasu-support//
採用活動が活発になる時期は?
家庭教師センターは基本的に常時採用を行っていますが、中でも「長期休み前」「年度替わり」の2つのタイミングは、採用活動が非常に活発になります。
長期休みの場合、特に夏休みに需要がグンと跳ね上がるので、「7月中旬」を目処に応募をすると採用されやすくなるかもしれません。
同様に、年度替わりの「3月」も狙い目。この時期は「受験対策」として家庭教師を利用したい方が急増するので、受験生を一年間指導できるチャンスでもあります。受験生を指導する中で、先生として学べることはたくさんあるので、春休み中に家庭教師デビューを飾るのも良いでしょう。
家庭教師は現場で慣れていくことが大切!
家庭教師になるには、事前に知っておくべきこととやっておくべきことがいくつかあります。記事で紹介したことを参考に、スムーズに家庭教師として働く準備をしていきましょう。
一方で、どれだけ準備を重ねても、現場でしかわからないこともたくさんあることも事実。最低限の準備を終えたら、すぐに応募をして働き始めることもまた大切です。経験を重ねていく中で、先生としての力を着実につけていきましょう。