- 家庭教師にとっての保護者対応の重要性
- 信頼してもらえる保護者対応の方法
- 対処が難しい保護者さまへの対応方法
家庭教師は生徒に授業を行うこと以外にも、保護者との信頼関係を構築する「保護者対応」という極めて重要な仕事があります。どれだけ生徒に良い授業を提供できていても、保護者対応が上手くいかないと担当を打ち切られてしまうなど、仕事を続けていくことは難しくなってしまうでしょう。
一方で、保護者は多くの先生にとって年上の存在でもあるため、対応が難しく感じてしまうのも事実です。
この記事では、家庭教師にとっての保護者対応の重要性や、保護者さまからの信頼の獲得方法を徹底的に解説します。
家庭教師にとって「保護者対応」は極めて重要
他の教育業とは異なり、家庭教師は「完全マンツーマン」で仕事を行いますが、これを単に「生徒とのマンツーマン」だと考えていてはいけません。
家庭教師という仕事は、生徒だけでなく「家庭(保護者)とのマンツーマン」で仕事を進めていくため、「保護者対応の重要性」を認識していないと、スムーズに働けないかもしれません。
レッスン予約をするのは保護者
では、どうして保護者対応が重要なのでしょうか?その理由は、保護者がお金を払って、レッスンの予約をするからです。
家庭教師として働く上では、必ず「信頼を得る」ことが必要になりますが、レッスンを受けるかどうかの最終的な決定権を持つのは生徒ではなく保護者であり、その後のレッスンにお金を払うのも、当然ながら保護者さまになります。
したがって、生徒目線で良い先生に思えたとしても、大人である親の目線で問題があると思われてしまったら、授業を継続して受けてもらえない可能性が極めて高いです。
保護者の意向は重要
つまり、家庭教師という仕事は、生徒への授業の質を高めた上で、保護者さまへの対応を磨かなければ、思い通りに仕事ができない仕事だともいえます。保護者さまの意向でほとんどのことが決まってくるので、保護者対応を蔑ろにしてはいけません。
これだけ聞くと、「家庭教師は授業以外にやることが多くて大変」と思う方もいるかもしれませんが、これはその通りです。しかし、仕事内容が多い分だけ一般的な学習塾よりも高く報酬が設定されているため、保護者対応が上手にできるようになれば、安定した収入が見込めるメリットがあります。
保護者対応を磨いて人気先生を目指そう!
このように、家庭教師にとって保護者対応は、収入に直結する欠かせない業務の1つです。人気先生の裏側には、必ず「満足度の高い保護者対応」が隠れているので、保護者対応は家庭教師として安定して働いていく上で避けては通れないものだといえます。
一方で、生徒への授業とは異なり、保護者対応には教材、テキストは一切存在しませんし、対処法やノウハウも確立されていないので、「どんな風に保護者対応を行えば良いのか」と悩んでしまう先生は多いでしょう。
次の章で、家庭教師の保護者対応の方法を徹底的に解説しているので、家庭教師の保護者対応について知りたい方や、悩んでいる方は参考にしてみてください。
家庭教師の保護者対応の方法
それでは、家庭教師の保護者対応の具体的な方法について、現役先生の視点から徹底的に解説していきます。扱うトピックは、以下の3つです。
- 誠実に、正直に対応する
- 生徒との関係を大切にする
- 登録サービスに相談する
どれも重要なので、順番に確認していきましょう。
誠実に、正直に対応する
家庭教師の保護者対応において、最も大切なことは「誠実に、正直に対応する」ことです。
私たち家庭教師は、保護者にお金を支払ってもらっている対価として、授業などの教育サービスを提供しています。そのため、保護者は、教師に対してさまざまな依頼や要望を伝えてきます。
しかし、その要望全てに応えることができない場合があります。それを無理をして応えようと考えてはいけません。
私たち家庭教師は、教育サービスを提供してお金をもらっている「教育のプロ」ではあるものの、だからといって「何でもできる」わけではないからです。したがって、できることはできる、できないことはできないと、正直にお話しすることも大切なことだといえます。
成績に関する要求について
ご家庭からの要求の中で、多くの家庭教師を悩ませるのが、「次のテストで点数を上げてください」といった、成績アップに関する要求ではないでしょうか?
確かに、私たち家庭教師は成績を上げるために雇われているので、ご家庭の方からこのような要求が行われるのは当然です。しかし、生徒の成績は先生一人の努力だけで決まるわけではなく、
- 先生の努力
- 生徒の努力
- 時間
この3つのかけ算によって決まるものであり、なおかつ生徒の努力はご家庭でのサポートが不可欠なので、保護者が考えるほど成績アップのハードルは低くないことは家庭教師なら誰でも知っているはずです。
したがって、私たち家庭教師は、保護者さまに対して「正しいことを伝える」必要があります。「次のテストで点数を上げてください」と要求があったら、二つ返事で「わかりました」と答えるのではなく、
達成できるよう最大限の努力をしたいと思います。成績を上げるために、〇〇さんの頑張りが必要にもなりますので、ぜひサポートをお願いします。また、すぐに結果が出なくても、私の方で辛抱強くサポートをし続けますので、この点ご理解いただければと思います。ぜひ次回のテストで成績を上げていきましょう。
このように自分の「誠意」と「保護者の協力」についてもしっかりと伝えましょう。
単にお任せ下さいではなく、ご家庭との協力体制をつくっていくこと、正直に伝えることが、結果的に保護者さまからの信頼へとつながるのです。
正直で誠実な対応を心がけよう
以上のような「正直で誠実な対応」を続けていくことは、成績以外の部分でも重要です。
例をあげると、指導方法や使用教材など、「授業に関すること」にまで保護者さまが踏み込んでくる場合があります。「〇〇という教材を使って欲しい」といった然るべき要望には最大限応える必要がありますが、
- 授業中に授業に口出しがある
- 授業の進め方の全てに要求を行う
- 使用教材を頻繁に変更したがる
このような度を超えた要望には、「自分の指導法のスタイル・考え方」を正直に、誠実に主張し、毅然とした態度で対応を行いましょう。
私たち家庭教師は、決められたやり方に従い、誰かの指示を受けて授業を行うだけのロボットではなく、一人一人に個性がある人間です。
そして、ほとんどの家庭教師は、生徒に合った指導方法や教材を選択し、自信を持って授業に臨んでいます。その全てに口を出されては仕事ができないため、安易に折れるのではなく、時には保護者を納得していただくことも必要ではないでしょうか?
生徒との関係を大切にする
家庭教師にとって保護者との信頼関係は極めて重要なものですが、「生徒との関係を大切にする」ことで信頼は勝ち取れます。
先述の通り、保護者からは色々な要望が飛んできますが、ほとんどの場合で、以下のような結果が出れば要望はピタッとやみ、安心して子供を預けてくれるでしょう。
- 成績アップ
- 学習意欲の向上
- 生活態度の変化
最もわかりやすい結果は、「成績アップ」に関することです。テストの点数が上がったり、模試の結果が良かったり、志望校に合格したりと、このような結果を出すことができれば、「安心して任せられる」と判断され、非常にスムーズに仕事が行えます。
また、仮に成績がアップしなくても、学習意欲の向上や、学習習慣の定着、さらには生活態度の改善など、「目に見える変化」があるかどうかが信頼を得る上では重要なポイントです。
そして、このような結果を出す上では、生徒との良好な関係が必要不可欠。究極的には、生徒への対応が、直接的に保護者対応へとリンクするといえます。
したがって、生徒と保護者を別々に考えるのではなく、「生徒の向こう側に保護者がいる」ことを念頭に置きながら、家庭教師として仕事に臨みましょう。
登録サービスに相談する
以上の通り、「正直に、誠実に対応する」「生徒との関係を大切にする」という2つの点を実践すれば、多くの保護者は先生を信頼し、保護者対応がスムーズに行えます。
しかし、こちらがどれだけ努力を重ねても、なかなか理解をしてくれない保護者が存在するのも事実です。
このような場合、多くの家庭教師は「もっと頑張らないと」と考えてしまうものですが、結果、無理をして体を壊してしまう方が非常に多いです。
したがって、「これ以上は厳しい」と感じたら、即座に登録している家庭教師センターやサービスに相談をしてください。
先生一人の力で対処するのは難しい
ハッキリいうと、先生が丁寧に対応しても、指導方法や考えに理解を示してくれない保護者は、先生一人の力では対処できません。
「保護者からの干渉が強くて仕事に支障が出ている」と報告をし、担当のスタッフの対応を待ちましょう。このとき、登録サービスからの対応は、以下の3つにわけられます。
- 即座にサポートしてくれる
- なかなか対応してくれない
- そもそもレスポンスがない
最も良いのは「即座にサポートしてくれる」サービスです。すぐにサポートを行ってくれるなら、継続してそのサービスで働く価値は大いにあるといえます。
一方で、先生だけでなく、サービス側からしても問題行動を起こす保護者の対応には苦慮するので、なかなか重い腰を上げてくれない場合もあるかもしれません。あるいは、そもそもレスポンスが全くなく、放任主義のサービスも中にはあるでしょう。
家庭教師登録センター、サービスは「ピンキリ」の世界です。先生が困った時にこそ、そのサービスの真価が問われます。もし満足いくサポートを受けられなかったら、担当生徒だけでなく、登録サービスごと変える大胆さも必要でしょう。
具体的なサポート内容とは?
では、登録した家庭教師センター、サービスは、具体的にどのようなサポートを行ってくれるのでしょうか?ここでは一例として、このWebサイトを運営するオンライン家庭教師サービス「まなぶてらす」が実際に行っている、先生の保護者対応に関するサポート内容を紹介します。
以下に、考えられるサポート内容を列挙しました。
- 対応方法を検討、指導する
- 先生が困っていることを保護者に伝える
- 担当を変える
- あまりに悪質の場合、保護者の登録を解除する
この4つのサポートは、基本的には「上から下へと進んでいく」と考えてください。
はじめは、先生と一緒に対応方法を検討、指導し、「アドバイス」を行います。登録している先生が運営事務局まで連絡をしてくるのですから、少なくとも先生が困っていることは明らかです。
しかし、第三者から見て「この程度の対応はできた方が家庭教師としてレベルアップできる」と考えられるケースもあります。こうした場合は、先生と一緒になって対策を考えることもあります。
一方で、運営事務局に連絡がきた段階で、「これはどうしようもない」というケースに関しては、警告の意味も込めて「先生が困っている」「〇〇をやめて欲しい」旨を保護者さまに直接伝えます。
また、悪質性が低い案件に関しては、先生の担当を変えることで対応することもあるでしょう。
そして、以上のようなサポートを行ったとしても、なお問題行動を起こす保護者に対しては、大変申し訳ありませんが、サービスを退会していただくこともあります。
これは極めて稀なケースであり、このようにならないようサービス一丸として先生、保護者へと丁寧に対応をしていきますが、家庭教師サービスを運営する企業として、お客さまを守ることと同時に、「先生を守る」責任があります。
このようなスタンス、やり方で、私たち「まなぶてらす」は、家庭教師にありがちな保護者対応に関するサポートを行っています。まなぶてらすの充実したサポート体制を紹介した、以下の記事も参考にしてください。
https://www.oshieru.work/manabuterasu-support/
保護者と良い関係を築けてこそプロ家庭教師!
家庭教師という仕事は、生徒、保護者の双方と良い関係を築くことが求められます。どちらかが欠けていてはスムーズに仕事ができないので、授業のスキルとともに、保護者対応のスキルもしっかり磨いておきましょう。
一方で、先生一人で対応できる範囲には限界があるのも事実なので、困った時は登録サービスや同僚の先生に助けを求めることも大切です。