- 家庭教師が注意すべき身だしなみのポイント
- オンライン家庭教師に実施した「身だしなみ」に関する独自アンケート
- 現役オンライン家庭教師たちの「身だしなみ」への本音
教育業はお客さまからの印象が大切なので、服装や髪型などの身だしなみにこだわることがとても大切です。塾講師はどこのサービスでも「基本スーツ」なので、それほど悩むことはありませんが、家庭教師は「私服OK」であることが多いため、どのような服装や髪型をすれば良いのか迷ってしまうもの。
この記事では、家庭教師が注意すべき身だしなみのポイントを、現役講師の目線で徹底的に解説していきます。また、記事の後半では、身だしなみの自由度が高い「オンライン家庭教師」という働き方への言及もしています。
家庭教師が注意すべき身だしなみのポイント
家庭教師は教育業では珍しく「私服OK」としているサービスが多いため、毎回堅苦しいスーツを着る必要がないのは大きなメリットです。特に学生が塾講師として働く場合、授業・レッスンがある日は大学へとスーツを着ていき、そのまま職場まで行くこともあるので、服装に関する強い縛りがなくなるのは助かります。
一方で、私服OKだからといって、どんな服を着ても良いということではありません。また、服装以外にも、以下のような「身だしなみ」に関することに注意しないと、お客さまに悪印象を与えることになります。
- 服装
- 装飾品
- 髪型・髪色
- ボディケア
一度悪印象を持たれてしまうと、そこから挽回することは困難なので、家庭教師としてバリバリ活躍をしていきたいなら、指導力やコミュニケーション能力といったものに加えて、「身だしなみ」にこだわることが大切です。
服装
はじめに、家庭教師が服装のどのような点に気をつければ良いのかを解説していきます。
先述のように、多くの家庭教師サービスは「私服OK」としていますが、だからといってどんな服でも着て良いわけではありません。
「清潔感」を意識したコーディネートを
服装だけでなく、家庭教師の身だしなみにおける最も大切なポイントは、「清潔感」にこだわることです。家庭教師は生徒さまと非常に近い距離で接するので、保護者さまは「大切な子供に悪影響を与えるかどうか」を極めて慎重に見極めます。
そして、服装は顔や髪型などと同じく、印象へと直接関わる部分なので、服装から不潔感を抱いてしまうと、どれだけ指導力が高かったとしても敬遠されてしまうもの。
したがって、出来るだけ良い印象を持ってもらうためにも、以下に示す服装に関する良い例、悪い例を参考にしてください。
- 襟付きのシャツ
- チノパン、スラックス
- セミフォーマルの革靴
- パンプス
- 白、淡いブルーなど清潔感のある無難な配色
- 露出度の多い服装
- 威圧感を与える奇抜な配色
- ダメージの入ったジーンズ
- 汚れた靴
- サンダル
- 靴下を履かない(素足)
良い例、悪い例ともに特別なことは一切なく、「一般常識の範囲」で収まるものだと考えてください。
「露出度」に注意を
悪い例の中で注意すべき点として、「露出度」があげられます。こちらは男性、女性共に気を付けなければいけない部分です。
まず男性講師が露出を抑えるべき理由は、「体毛」にあります。特に女子生徒を男性講師が指導する場合、少しでも生理的に受け付けない要素、つまり不潔な印象があると、どれだけ指導力が高くても授業に関心を持ってくれません。
また、女性講師の場合は、多感な時期にある生徒さまに悪影響を与えてしまう可能性があるため、極力露出を抑えた服装が好ましいです。体温調節が難しいかもしれませんが、襟付きシャツにパーカーやカーディガン、ニットを合わせて、露出を極力抑えながら快適に過ごせる服装を心がけましょう。
スーツは無難な選択肢
また、「私服OK」といわれているものの、それでもスーツを着て授業に臨む講師もいます。その理由は、
- 仕事だから
- スーツを着ると身が引き締まるから
- 服装に悩むことがなくなるから
このように人によってさまざまですが、スーツを着ている人間に悪印象を抱くことはほとんどないため、無難な選択肢としてチョイスしても良いでしょう。
一方で、子供にとっては、あまりに堅苦しいスーツを着ているよりも、少しカジュアルな印象のある私服の方が馴染みやすい印象があるかもしれません。どちらも一長一短なので、自分の価値観やライフスタイルに合った服装をチョイスしてみましょう。
装飾品
服装に続いて、装飾品について解説していきます。
結論からいえば、装飾品はつけないに越したことはありません。装飾品は自分を表現するためのカジュアルな印象の強いものですが、家庭教師にとって大切なのはオシャレよりも清潔感です。
したがって、外せるものは外して授業に臨むのが好ましいでしょう。
参考までに、タブーとされる装飾品を以下にまとめてみました。
- 不必要に派手なアクセサリー
- 目立つピアス
- スマートウォッチの通知
基本的には「不必要に派手なアクセサリー」は全てNGだと考えてください。また、よく話題にあがる「ピアスの是非」については、目立たないものなら付けていても大きな問題にはならないでしょう。
しかし、人によっては「チャラついている」と捉えることもあるので、やはり着けないに越したことはありません。
ガジェット類の扱いに気をつけて
また、最近ではApple Watchなど、スマートウォッチを腕に着けて授業に臨む方もいるでしょう。時間管理など授業にも使える便利なガジェットですが、スマートフォンに来た通知がスマートウォッチに表示され、講師のプライベートなメッセージが生徒さまの目に入る可能性もあります。
こういった細かいことからトラブルにつながることもあるので、通知をオフにしておくなどの対策を取っておきましょう。
スマートフォンやタブレット、パソコンなどを授業に使う場合も、同様に「プライベート色」が出ないように細心の注意を払ってください。
髪型・髪色
続いて髪型や髪色について言及していきます。服装と同様に大切なポイントなので、こちらも良い例と悪い例を確認していきましょう。
- 長すぎず、重たすぎない髪の長さ
- 奇抜ではない常識のある髪型
- ナチュラル感のある自然なスタイリング
- 黒系統の落ち着いたカラーリング
- 不潔感を与える長髪
- 多量のフケ
- 寝ぐせ
- 過剰なスタイリング
- 奇抜な髪型・髪色
どれも一般常識の範囲におさまるものなので、無難な髪型、髪色を心がければ問題ありません。
あまりに髪に気合を入れすぎても威圧感を与えてしまうので、「不自然ではない」程度に整えておくだけで良いでしょう。
ボディケア
続いて、意外と盲点になりがちな爪、体毛、香り・ニオイといった「ボディケア」に関する身だしなみの注意点を解説していきます。
爪
家庭教師にとって服装と同じくらい注意すべきなのが「爪」です。ノートや参考書を指を使って指導することもあり、子供の視界に講師の指は良く入るため、爪が長いと不潔な印象を与えてしまいます。
したがって、定期的に爪を切り、清潔感を与える綺麗な手を心がけましょう。仕事用のポーチを1つ用意し、その中にハンドクリームや爪切りを忍ばせておくのも効果的です。
体毛
男性講師にとって悩ましいのが体毛ではないでしょうか?
男性は女性に比べてテストステロンという体毛に関わるホルモンが多量に分泌されるため、体毛が濃くなりがちですが、男性が女性のように除毛を行うことはまだまだ一般化していません。
したがって、体毛に無関心な男性も多いですが、あまりに体毛が濃いと女性の生徒さまに悪印象を与えてしまう可能性があるので配慮が必要です。
選択肢としては、「除毛をする」「隠す」のどちらかですが、どれだけ除毛をしても脱毛をしない限り、体毛は生えてきてしまいます。したがって、「隠す」ことが現実的な選択肢です。
夏場に全身を衣類で包むのは少し過酷かもしれませんが、幸い肉体労働ではありませんし、エアコンの効いた環境で仕事ができます。薄い素材で出来た衣類を選んで、出来る限り体毛を見せない配慮を心がけましょう。
香り・ニオイ
ボディケアの中でも、「香り・ニオイ」は極めて重要な要素です。家庭教師はマンツーマン指導が基本で、ほとんどゼロ距離での指導になるため、体臭や口臭のケアが欠かせません。
ニオイに関する良い例をまとめてみたので、参考にしてください。
- ボディペーパーで気になる部位を拭く
- 制汗剤を使用する
- 速乾性のある肌着を着用する
- 歯磨きをする
- ガムを噛む
- 口臭が出やすい料理を食べない
- 紙巻きタバコを吸わない
ニオイは身だしなみの中でも、直接五感に働きかける、極めて重要なものです。ハッキリ言えば、不快なニオイをする講師の授業は苦痛を与えることになり、間違いなくクレームの原因になります。
また、体臭ケアをするために香水を使用する方もいますが、香水の香りはふんわりと香ると良い印象を与えるため、密着して指導する家庭教師と相性が悪いです。
つけるなら極めて少量にし、万人ウケする柑橘系、サボン系の香りのものを使用しましょう。
一方で、体臭や口臭は体質による部分も大きいため、どれだけ気をつけてもケアしきれない部分でもあります。どうしても気になる場合は、訪問型の家庭教師ではなく、対面しないオンラインの家庭教師を選んでみるのも良いでしょう。
厳しい身だしなみを避けたいならオンライン家庭教師も視野に
家庭教師が注意すべき身だしなみに関する4つのポイントを解説してきましたが、少し窮屈に感じる方もいるかもしれません。特に学生にとっては、
- 自由にオシャレができない
- 髪を明るい色に染められない
- 華美な装飾品を付けられない
- 体臭や食べるものにも気を配る必要がある
このような事情から、「ちょっと厳しそう」と感じてしまうのも無理はないでしょう。
確かに、家庭教師を含めた教育業は、例外なく他の業種よりも近い距離で接客(授業)を行うことになるので、これは仕方のないことのように思えます。
しかし、逆にいえば「対面せずに授業をすれば身だしなみに神経質になる必要はない」ともいえます。つまり、「オンライン家庭教師」という働き方を選択することで、身だしなみに関するストレスを抱えずに、快適に授業を行えるのです。
現役オンライン講師陣の身だしなみのホンネ
では、実際のところオンライン指導では、身だしなみを気にする必要はないのでしょうか?
このWebサイトを運営している「まなぶてらす」は、オンライン指導を専門とする家庭教師サービスなので、身だしなみに関する本音を明らかにするためにも、在籍する講師に独自アンケートを実施しました。
対象者 | 「まなぶてらす」に在籍する講師 |
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有効回答数 | 47件 |
期間 | 2021/6/7〜2021/6/9 |
結果はご覧の通りで、「オフライン型の教育業とオンライン型の教育業で、教える時の服装や身だしなみに対する意識は変わりますか?(オフラインの経験がない方は想像で構いません)」と尋ねたところ、
- 変わる:57.4%
- 変わらない:42.6%
このような割合となりました。実に6割程度の講師たちが、オンラインレッスンは身だしなみへの意識が変わると答えており、身だしなみに関するルールに縛られたくない方におすすめの働き方だといえます。
「変わる派」の意見
では、「変わる」と答えた講師は具体的にどのような点が訪問型家庭教師(オフライン型)と変わると考えているのでしょうか?
オンライン型の身だしなみに関するメリットを象徴しているのが、こちらの意見になります。
オンライン時の服装はオフライン(必ずワイシャツ)に比べてややカジュアルになり、口臭(例えばコーヒーなど)も気にしなくてもよい。
オンライン型では服装がカジュアル寄りになり、口臭は一切気にしなくて良いとの意見です。口臭に関しては対面しないので気にする必要がないのは当然のこと、対面しない分、服装がカジュアルテイストでも違和感が生じないため、このような意見には完全に同意します。
また、オンライン型は「自宅で行う」という都合上、自宅の雰囲気とマッチさせるために服装をアレンジしているという意見もありました。
オフラインでの家庭教師で伺う際にはシャツにネクタイをして訪問していました。しかし、オンライン授業となると自宅でのレッスンのため逆に違和感が出る気もするため、私服の少しキレイめな服装(スタンドカラーシャツなど)で授業を行っています。
「私服の少しキレイめな服装」というのは、言い換えれば「多少オシャレができる」ということです。この点も、オフライン型とは異なる点だといえるでしょう。
加えて、「堅苦しい服装をしなくて良い」ということが、レッスンに良い影響を与えていると考えている講師もいました。
オフラインではスーツを着なければならなかったので、少し堅苦しい気持がしていた。一方で、オンラインでは少しラフな格好でレッスンできるので、気持ちの面でもより明るくレッスンできる。
これは気持ちの問題なので一概にはいえませんが、「キッチリした服を着た方が仕事モードに入れる」という方もいれば、「ラフな格好の方がリラックスして仕事ができる」という方もいるので、「どちらも選択できる」というオンライン型の特徴は、講師にとって大きなメリットを与えてくれます。
女性講師の「変わる派」の意見も確認していきましょう。
服装はほとんど変えません。メイクが最低限(近所に買い物に行けるレベル)程度しかやりません。というのもインカメラの画素がそこまで良くなく意味がない事が1点と小学生がほとんどなので逆にしっかりしたメイクはびっくりされてしまうので。ピアス、ネックレス等もつけません。これはヘッドセットと絡みやすいと言うのが主な理由です。
こちらの意見では、服装は大きくは変わらないものの、「メイクを最低限にしかしない」とのこと。その理由は、カメラの画素数が低いためメイクをしてもあまり変わらないのと、しっかりしたメイクは威圧感を与えてしまうから、だそうです。
また、装飾品はイヤホンやヘッドセットと絡んでしまうためつけることはないとのことでした。
自宅にいるのにメイクをしなければいけないのはやはり手間なので、最低限のメイクのみで仕事に臨めるのは、オンライン型ならではの魅力だといえるでしょう。
一方で、「オンライン特有の身だしなみ」に関して気にしている講師もいるようです。
ちょっと身だしなみとは違うかもしれませんが、カメラ角度(通常の位置からだと見下ろす感じが偉そうに見える)や、画面に占める自分の割合(アップだと強烈すぎるとか)などを気にするようになりました。
その意見がこちら。「画面にどのように映るのか」を考えることで、「お客さまにとってより快適な授業をする」という目的を達成するべく試行錯誤をしているとのこと。
このように、オンラインならではの身だしなみに注意して、より良いレッスンを提供できるように努力することも大切です。
「変わらない派」の意見
少数ながらも「変わらない派」の意見も集めることができたので、簡単にご紹介させていただきます。
まずは至極真っ当な意見がこちら。
オフライン、オンライン共にお給料が発生して教えるということは変わらないので、教える立場としてどちらの指導タイプであっても身だしなみを整えてその場に立つべきだと思うのは変わらない。
これには「変わる派」の方々も同感でしょう。仕事として授業に臨む以上、「最低限の身だしなみを整える」ことは社会人としての義務です。
しかし、オンライン型は物理的に「見えない」「伝わらない」部分があるので、この「必要最低限」のハードルがグッと下がるからこそ、身だしなみに対して多少カジュアルになっても問題ないという認識が正しいように感じます。
また、変わらない派の中でも、このような意見が見られました。
オフラインもオンラインもあまり変化なく、ビジネスカジュアルで対応しています。女性はビジネスカジュアルと言ってもかなり服装の自由がありますので、その中でおしゃれも楽しめています。
そもそも女性は服装の自由度が高いため、オフライン、オンライン関わらず快適に仕事を行えているとのこと。オンライン、オフライン問わず快適に働けているなら、それに越したことはないでしょう。
快適に働きたいなら「オンライン家庭教師」を選んでみよう
独自アンケートの結果を紹介しましたが、いかがでしたか?まなぶてらすで働く多くの講師がオンライン指導に魅力を感じており、「身だしなみに神経質にならずに快適に働ける」と感じています。
筆者もまなぶてらすでオンライン家庭教師として現役で働いていますが、同様に「変わる派」の意見に完全同意です。身だしなみに関しては、基本的に「視覚」に関すること以外は何も気にする必要がないので、対面するよりも圧倒的に快適にレッスンができています。
そして、講師側が快適にレッスンができると、精神的に余裕が生まれ、結果的に生徒さまにも良い影響を及ぼすという好循環も生まれます。
オンライン家庭教師は非常におすすめできる働き方なので、オフラインだけでなく、オンラインも視野に入れて自身に合った働き方を選択しましょう。
家庭教師にとって身だしなみは生命線!好印象を与えよう
この記事では、訪問型家庭教師が注意すべき、身だしなみに関するポイントを解説しました。どれだけ指導力が高くても、お客さまに不快な印象を与えてしまうと、残念ながら家庭教師として選ばれることはありません。
一方で、オンラインで指導する場合は、身だしなみの自由度が高いので、ストレスなく快適に授業が行えます。実際、多くの講師がオンラインの方が身だしなみに縛られず、快適に授業に臨めると考えているので、オンライン指導も視野に入れて家庭教師として働きましょう。