オンライン指導入門

家庭教師に必要な資格やスキルって?小中高で求められる資質も解説します

家庭教師に必要な資格やスキルって?小中高で求められる資質も解説します

家庭教師は一般的なアルバイトや塾講師よりも報酬が高く、やりがいもある魅力的なお仕事ですが、生徒と完全なマンツーマンの形で指導をするため、少しだけハードルが高いのも事実です。

家庭教師を始める上で特に多い不安は、以下のようなものではないでしょうか?

  • 家庭教師に必要な資格ってあるの?
  • どのようなスキルがあればできる?
  • 小学生、中学生、高校生でどんな知識があればいいんだろう?

この記事では、家庭教師に必要な資格やスキル、さらには学年別に求められる資質について、現役のオンライン家庭教師が徹底的に解説していきます。

実際に現場で働いている家庭教師目線で、必要な資格やスキルを解説していきます。家庭教師として働きたいと考えている方は必見です。
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https://www.oshieru.work/manabuterasu-intro/

家庭教師に必要な資格やスキルはあるの?

冒頭でお伝えしたように、家庭教師は報酬が高く、やりがいがある大変魅力的なお仕事ですが、一般的な塾講師よりも大変そう、難しそうなイメージがあるのもまた事実です。

だからこそ、「家庭教師として働くには資格やスキルは必要?」と考える方は多いです。

この章では、家庭教師に必要な資格とスキルについて徹底的に解説していきます。

資格

まずは資格についてですが「一切不要」です。資格が一切なくても実力や経験があれば誰でも働けるので、家庭教師として働く上でのハードルは想像以上に低いと考えましょう。したがって、社会人経験がない学生でも、家庭教師として働くことはもちろん可能です。

一方で、「あったら役立つ資格・試験」があるのもまた事実です。採用時に有利に働いたり、集客の時に保護者からのウケが良くなる資格や検定を以下で解説します。

教員免許

教育関係の資格として真っ先に思い浮かぶのが「教員免許」ではないでしょうか?教師になるために必要な資格ですが、これを持っておくと「ある程度」色々な場面で有利に働くことは事実です。

しかし、教員免許を持っていたとしても、「現場での経験」があるかどうかで評価が大きく変わってくるので、この点は注意しましょう。なぜなら、「教員免許は大学で必要な単位を取るだけで取得できる」ことが採用側も分かっているからです。

したがって、教員や塾などでの現場経験が豊富なら、教員免許の有無はそれほど関係ありません。逆にいえば、教員免許があるからといって、採用が確約されるわけではないということです。

その他の民間資格

教員免許は国が認める国家資格ですが、ここでは意外と評価されやすい民間資格について解説していきます。以下に示す民間資格は、家庭教師だけでなく、教育系のお仕事をやっていきたいと考えているなら狙い目です。

  • 進路アドバイザー検定
  • 生涯学習コーディネーター
  • 不登校訪問専門員試験
  • ひきこもり支援相談士

取得優先度は、「進路アドバイザー検定」が最も高いといえます。特に中学生、高校生の子供を持つ保護者は、「進路指導までして欲しい」と考えているため、持っているだけで強みになることは間違いありません。

一方で、取得難易度が高く、時間をかけて勉強をして試験に臨む必要があるため、それなら現場で働いて実績を積んでいく方が良いでしょう。

その他の民間資格は、どれも有償の講座を受け、課題提出など、必要なことをこなすだけで取得できるものなので、取得難易度は低いです。不登校やひきこもりで悩んでいる保護者は多く、そのニーズは家庭教師に集まりやすいため、取得しておいて損はないといえます。

英検・TOEIC

教育系の国家資格は教員免許が唯一といっても良いものですが、「検定・試験」なら幾つかの候補が上がります。その中でも筆頭なのが、英検(〇〇検シリーズ)やTOEICなど、各科目に関係する検定です。

結論からいえば、こちらも「あるに越したことはない」ものの、マストで必要というわけではありません。実際、「英検3級しか持っていない」ような人材でも、第一線で働いている方は山ほどいます。

結局のところ、家庭教師を選ぶ保護者がまず一番に重視するのは、資格や試験といったものではなく「人間性や子供との相性」です。どれだけたくさんの資格や試験を有していても、人間性に難があったり、子供を信頼して預けられない人間だとしたら、100%選ばれません。

逆にいえば、資格や優れた試験結果を持っていなくても、必要なスキルを備えれば、誰でも家庭教師として働けるということ。次のセクションでは、家庭教師として必要なスキルを解説しているので、資格や検定よりもそちらを重点的に習得してください。

現場で働いていて、資格や検定を持っていないことが不利に働いているとは一切感じません。必要スキル、知識を備えた上で、保護者や子供に真摯に向き合う姿勢があれば、必ず誰でも家庭教師としてやっていけます。

スキル

続いて、家庭教師として必要なスキルを、現役講師目線で解説していきます。資格や検定よりも優先度は高いので、家庭教師として働く準備をしたいなら、以下のスキルを身につけられるように努力をしていくべきです。

  • コミュニケーション能力
  • ディレクション能力
  • 忍耐力
  • 専門性

それぞれ順番に解説していきます。

コミュニケーション能力

家庭教師として働く上で、最も大切なスキルはコミュニケーション能力です。その理由には、

  • 完全個別指導だから
  • 保護者対応が重要だから

という2つの理由が存在しますが、それぞれの詳細を確認していきましょう。

完全個別指導だから

家庭教師は他の教育系のお仕事とは異なり「完全個別指導」なので、子供との距離感が極めて近くなります。一方で、一般的な個別指導塾は、名前に「個別指導」と付いてはいるものの、実態は「1対2〜1対3」という完全な個別指導ではありません。

1対1で指導をするのか、3人の中の1人として指導をするのかでは、距離感はもちろん、指導できる内容が大きく異なるので、完全個別指導の家庭教師の方が、より緻密で丁寧なコミュニケーション能力が求められるのは明らかです。

保護者対応が重要だから

家庭教師には生徒に加えて、保護者とコミュニケーションを取る必要があります。なぜなら、家庭教師に子供を預ける保護者は、「普通の塾よりも熱心に指導をして欲しい」という潜在的なニーズを必ず持っているからです。

また、家庭教師の方がレッスン料、授業料が割高なので、その分だけ講師に求めるハードルも上がります。だからこそ、

  • レッスンの様子を教えて欲しい
  • 子供の変化を教えて欲しい
  • 結果を出して欲しい

このような要望に応えるべく、保護者とのコミュニケーションが必要になるのです。

そして、家庭教師を志す多くの方は、保護者対応と聞くと「大変そうだから辞めておこうかな」と考えてしまうでしょう。確かに、保護者対応は大変ですし、心理的に負担になる部分もあります。

しかし、同時に以下のような学べるもの、得られるものがたくさんあるのも事実です。

  • 年上、目上の人間とのコミュニケーションの取り方
  • 保護者と一帯になって子供をサポートすることのやりがい
  • 子育ての難しさへの理解

特に年齢の浅い20代の講師にとっては、自分より年上の人間と「仕事として」直接対話できる経験は、何にも代え難い自分の財産になってくれます。

高いコミュニケーション能力を身につけ、積極的に生徒、保護者と対話をしていく中で、家庭教師としての実力を身につけていきましょう。

ディレクション能力

家庭教師に必要なスキルの1つに、「どのように指導をしていくのか」を見定めるディレクション能力があります。

一般的な学習塾では、その塾のカリキュラムや教材が定められている場合が多いため、自分で考えて指導していくことよりも、「カリキュラムに則って指導をしていく」ことの方が大切です。

しかし、家庭教師の場合は、その生徒に合った指導法、教材を選ぶ必要があるため、自分の頭で考えて、それを生徒に実行させ、スケジュールまで管理するディレクション能力が必要になるのです。

これだけ聞くと大変そうに感じられますが、指導法や教材は、講師一人一人の色が出る部分でもあるため、「自分の持ち味を活かせる」という意味で、一般的な学習塾よりもやりがいや指導のしやすさも実感できます。

したがって、何かに縛られながら指導をしていくのではなく、自分の経験を基にして指導を行っていきたい方に家庭教師は向いているといえるでしょう。

忍耐力

家庭教師として働いていくなら、忍耐力は持っておくべきスキル、資質だといえるでしょう。1対1の完全個別で指導をしていると、必ず以下のような壁に直面します。

  • 熱心に指導しているのにやる気になってくれない
  • 自分の指導法ではなかなか成績が上がらない
  • 保護者と指導方針が合わない

こういった問題に直面した時、何かを改善することと同じくらい重要なのが、「結果が出るまで我慢する」という忍耐です。

教育業は、相手にしているのが人間、それも成長真っ只中の子供なので、自分の思い通りに進むことはまずありません。そんな時、試行錯誤しながらトライ&エラーを繰り返すのも大切ですが、一貫した指導方針を持つこともまた、重要なこと。

数カ月を見越して取り組んでいく「粘り強い指導」を行っていくためにも、忍耐力はとても大切なスキルです。

英語力など専門性

家庭教師として必要なスキルの中には「高い専門性」も含まれます。英語で考えてみると、単に英語の指導が可能な講師やTOEICの点数が高い講師よりも、英語が話せる講師の方が家庭教師としての需要は高いといえます。

そしてこれは、なにも英語だけにとどまりません。各科目の専門的な知識を持っていればそれは強みになりますし、科目以外にも、

  • ピアノ(音楽)
  • プログラミング
  • ゲーム

このような「受験に関係ないもの」に対する高い専門性も、時に家庭教師としての強みになってくれます。ゲームは家庭教師に関係なさそうに思えますが、勉強に興味がなく、ゲームが好きな子供とコミュニケーションを取る上で、ゲームを取っ掛かりにするなどの形で役に立ってくれるのです。

このように、家庭教師は「何かに秀でていること」を強みにして、それをお金に変えていけるお仕事。自分の強みを確認して、それを家庭教師としての専門性に役立てていきましょう。

家庭教師として働いていく上では、各種資格、検定よりもスキルや熱意の方が大切です。次の章では、小中高で求められる資質について確認していきましょう。

小中高で求められる知識やスキルを知っておこう

家庭教師に必要な資格やスキルの他に、指導する生徒の年代別に必要な知識やスキルがあるのも事実です。家庭教師が対象にするのは、

  • 小学生
  • 中学生
  • 高校生

この3つの年代、学年なので、自分が指導したいと考えている年代を中心にチェックしてみましょう。

小学生

始めに小学生から見ていきますが、小学生の子供を持つ保護者が家庭教師に指導を依頼する目的は、ほとんどの場合で「中学受験の指導」です。

したがって、身につけるべき知識、スキルも小学生の勉強というよりは、「中学受験」に関連するものが中心になります。

知識:中学受験特有の解法

小学生を指導する上で身につけておきたい知識は、中学受験特有の考え方や解法です。小学生が学校で習う内容とは全くの別物なので、非常に高い専門性が問われます。

具体的に算数で例をあげると、以下のようなものがあげられます。

  • 鶴亀算
  • 旅人算
  • 植木算
  • 通過算
  • 仕事算

自分の学生時代に中学受験をしていない方にとっては、旅人算や植木算といわれてもピンとこないかもしれません。しかし、これらは中学校受験を指導する上で必ず知っておかなければいけない必須知識なので、事前に習得しておく必要があります。

そして、算数以外の科目でも、このような中学校受験特有の解法や考え方があるため、小学生の指導は想像以上にハードルが高いと考えましょう。

スキル:小学生を指導できるコミュニケーション能力

小学生を指導する上で必要なスキルは、「コミュニケーション能力」だといえます。

小学生は中学生や高校生と比較して、まだまだ未熟な存在です。そんな彼らが中学生や高校生と同様に、ハードな受験勉強をしなければならないことは、時に大きなストレスになってしまいます。

また、集中力や忍耐力といった精神的な部分に関しても、やはり未熟な子が多いため、「どれだけ手厚くサポートできるのか」が小学生を指導する上での鍵になります。

しかし、一般的な大人の目線で小学生を見てしまうと、

  • これくらい頑張ってやって欲しい
  • もう少し集中して取り組んで欲しい
  • やる気を出してもらわないと困る

このように感じてしまうので、小学生の目線に立ってコミュニケーションを取る必要があります。これは一朝一夕でできるものではありませんが、彼らの目線に立った上で、粘り強く指導を行っていくことが大切です。

中学生や高校生と小学生の指導では、必要知識やコミュニケーションの取り方が全く異なります。中学校受験をしていない方が家庭教師を始めるなら、はじめは中学生や高校生の方がおすすめです。

中学生

小学生に続いて、中学生を指導するために必要な知識やスキルをチェックしていきましょう。

結論からいえば、中学受験や大学受験といった「受験対策」の色が濃い小学生や高校生と比較して、中学生は「定期テスト対策」の需要が大きいです。受験指導と比較して、指導内容や指導方法のハードルが低いため、家庭教師を始めたての方に最もおすすめできる学年、年代だといえます。

知識:地域別の受験システム

中学生を指導する上では、各科目の専門的な知識はあまり重要ではありません。自身の高校受験の時に勉強した経験で対応できるため、少し復習をすれば現場に立てるレベルの各科目の知識は身につけられるでしょう。

一方で、公立高校、私立高校問わず、高校受験は各都道府県、地域で特色があるため、地域別の受験システムについての理解が必要不可欠です。

  • 出題内容
  • 受験方式
  • 受験回数
  • 必要科目

受験に関するこれらの要素が都道府県によって大きく異なるため、高校受験対策を行うなら下調べが必要です。

オンライン家庭教師として働いていると、指導する中学生は全国まで広がるため、各地域の特色を理解しておく必要があります。

スキル:勉強への意欲を出させるモチベーター能力

小学生と高校生は受験対策がメインになりますが、中学生は定期テスト対策の需要が色濃いです。そして、家庭教師に指導を依頼する家庭の中学生は、学力ではなく「勉強への意欲」が低いことが多いため、やる気スイッチを押す「モチベーター」としての能力が必要になります。

  • ストレスなく生徒にレッスンを受けさせる
  • 勉強を面白いと思ってもらう
  • レッスンを受けることを楽しみにしてもらう

このようなモチベーションに直接関わってくる部分で、講師としての力量が大きく試されます。やる気スイッチを押せる講師は非常に重宝されるので、中学生をメインの指導対象として考えているなら、「どのようにやる気を出させるか」という部分に注力して、事前準備を行うと良いでしょう。

高校生

最後に、高校生に必要な知識とスキルを解説していきますが、小学生や中学生に比べて、高校生の家庭教師に求められるものは非常にシンプルです。

知識、スキル、それぞれについて、順番に解説していきます。

出来るだけ高い学歴・知識

高校生の家庭教師を務める上では、より高い知識を持っていればいるほど、指導がスムーズに行え、需要も高まっていきます。

高校生やその保護者が家庭教師に求めるものは、点数や合格に直結する高い指導力と知識量と、非常にシンプルなものです。相性が合う、合わないももちろん大事ですが、それ以上に人生設計に大きく関わる大学受験を成功させたい方が多いため、指導力や自分の学力に自信がある方に、高校生の指導は向いているといえます。

また、保護者や生徒が講師を探す時に「学歴・出身大学」を重視するのも特徴なので、そこを強みとして押していくのも効果的です。

スキル:進路指導ができる人生経験

高校生の家庭教師を行う上で重要なスキルは、進路指導ができる豊富な人生経験にあります。特に1年生〜2年生の高校生を指導する場合、これから志望校を決める生徒が多いため、この時に色々な知識や経験を提供できるかどうかで、進路指導の質は大きく変わるでしょう。

高校生にとって大学や社会人は未知の領域なので、実体験をもとに語れる家庭教師は貴重な存在です。記事の前半で紹介した「進路アドバイザー検定」のような民間資格を取得して、進路指導に自信を持っていることをアピールすれば、多くの方から選ばれる講師になれるでしょう。

資格やスキル、知識と同じくらい「熱意」が大切

この記事では、家庭教師にどんな資格やスキルが必要なのかを、現役の講師目線で徹底的に解説してきました。資格よりもスキルや知識の方が大切ですが、それと同じくらい大切なのが「熱意」です。

家庭教師を含めた教育業は、まだまだ成長の途上にある子供、そして大切な子供を他人に預ける保護者を相手にするお仕事なので、時にストレスを感じたり、思うようにいかないこともあります。

そんな時に、熱意を持って粘り強く指導をし続けることができるかどうか。これこそが、家庭教師に求められる1番大切なものかもしれません。大変ですが、やりがいのあるお仕事なので、チャレンジしてみてはいかがでしょう?

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