子供たちは国の未来を担う大切な存在であるため、「子供たちを教える仕事」はこれまでも、これからもなくなることはありません。また、昨今の教育リテラシーの高まりにより、さまざまな教育サービスが登場しているため、教える仕事は増えてきています。
したがって、「教師以外の教える仕事にチャレンジしたい」と考える方がいても不思議ではありませんが、どんな選択肢があるのかについてはまだあまり認知されていません。
この記事では、「教師以外の教える仕事」をテーマとして、教師という職業の問題点や、教師以外にどんな仕事があるのかを解説していきます。
https://www.oshieru.work/manabuterasu-intro/
「教える」を仕事にしたいなら教師以外も検討しよう
子供と関わり合いながら何かを教える仕事は、やりがいに満ちた魅力溢れる職業です。そして、教える仕事の第一の選択肢が「教師」ですが、ご存知の通り、教師の人気は右肩下がりの傾向を抜け出せません。
上記画像は昭和54年度から令和2年度までの教員採用倍率の推移を示していますが、令和2年度の倍率は「3.9倍」です。平成12年度に「13.3」という最高倍率と比較するとその差は3倍以上となっており、いかに教師が不人気な職業であるかが分かります。
「教師になりたくない」と考えるのも無理はない
かくいう筆者も、学生時代は教師を志していた一人の人間でしたが、大学時代に「教師の現実」を目の当たりにした結果、到底、自分の人生を捧げられる職業だとは思えませんでした。
ブラックな職場環境や保護者対応など、取り上げていけばキリがありませんが、国もこのような現状を打開すべく、以下のような施策を「『令和の日本型学校教育』を担う教師の人材確保・質向上プラン」として打ち出しています。
- 小学校の免許状を取りやすくする
- 教職の魅力を上げ、教師を目指す人を増やす
- 教師として働き続けてもらえる環境をつくる
- 学校現場に参画する多様なルートを確保する
参考:『令和の日本型学校教育』を担う教師の人材確保・質向上プラン – 文部科学省
このような取り組みは歓迎できるものの、その効果はすぐに現れないことは明らか。10年、20年先の未来では、もしかしたら教師は人気の職業へと変わっているかもしれません。
現在の教師の問題点とは?
では、具体的にどのような点が教師の問題点なのでしょうか?人によって感じるところはさまざまあると思いますが、「職場環境」がキーワードであることは明らかでしょう。
- 時間外労働
- サービス残業
- 保護者対応
- 教育以外の雑務
具体的には上記があげられますが、「時間外労働」「サービス残業」は多くの方が懸念しているはずです。朝練や放課後、さらには休日の部活の指導をしながら、本業の授業の準備をする必要があります。
また、それぞれの教員に割り当てられる雑務もこなさなければならず、これら全てに対応するためには勤務時間外に働かなければいけません。
このような点を考慮すると、「教師になりたくない」と考えてしまうのは自然なことであり、教師の人気が落ちていくのは必然だと言えます。
教育や子供に関わりたいなら「教師以外」も検討しよう
このように、職業としての教師にはさまざまな問題点がありますが、一方で、やりがいが溢れる魅力的な職業であることもまた事実です。
子供の成長や人生そのものに大きく関われるのは、教育系の職業ならではの特徴。したがって、「教師以外の教える仕事」を検討している方も多いでしょう。
結論から言えば、教える仕事は教師以外にも世の中に溢れています。なぜなら、教育は今も昔も大きなニーズを持っている、人間の本質とも呼べる領域だからです。
ゆえに、「教師になりたくないから教育業界はダメか」と諦める必要は全くありません。教育や子供に関わりたいなら、教師以外の教える仕事に就いて、自分の理想とする教育を追求していきましょう。
教師以外の「教える仕事」4選
ここからは、「教師以外の教える仕事」を解説していきます。今回取り上げるのは、以下の職業です。
- 非常勤講師
- 塾講師
- 予備校講師
- 家庭教師
それぞれの働き方にメリットやデメリットがあるので、順番にチェックしていきましょう。
非常勤講師
はじめに解説するのが「非常勤講師」です。ご存知の方も多いかもしれませんが、非常勤講師は学校で教師として働くため、「教師以外の働き方ではないのでは?」と考えるかもしれません。
しかし、非常勤講師はあらゆる面で正規雇用の教師とは異なります。
非常勤講師のメリット
- 担任を持たず授業だけを持つ
- 授業だけに出勤すれば良い
- 副業や兼業が可能
非常勤講師のメリットは上記の通りです。
最大のメリットであり特徴が、「担任を持たずに授業だけを受け持つ」という点。確かに、クラス担任を持てるのは教師としての魅力ですが、クラス担任を持つからこそ激務になるという側面も否定できません。
したがって、「担任を持たずに授業という形で子供たちと『学校で』接することができる」のは極めて大きな魅力です。後述する塾講師や予備校、家庭教師は共に「学校以外で子供たちと接する」ことになるからです。
また、公務員にも関わらず副業や兼業が可能なのも嬉しいです。「他の仕事をしながら学校で働く」なんて、新しい時代の教師像のような感じがしてきます。
非常勤講師のデメリット
- 教員免許が必要(例外あり)
- 雇用が不安定
- 正規雇用と比べて収入が低い
- 科目によっては需要が低い
続いて非常勤講師のデメリットですが、「教員免許が必要」な点は大きなデメリットです。一方で、専門的な知識や技能を有する社会人に対しては「特別非常勤講師」という免許なしで非常勤講師として登用できる制度があるため、これを利用するのも一つの手。
また、非常勤講師はあくまで「欠員が出た時の補充要員」に過ぎないため、雇用が不安定です。半年間や一年間などのスパンでの契約になるため、この点には注意が必要。
収入については、正規雇用と比べると低くなりますが、働く時間が少ないためこれは仕方のないことです。共済や社会保険への加入が地域によっては難しく、賞与も存在しないため、非常勤講師に絞ってフルタイムで働くのはコスパが悪いです。
非常勤講師をおすすめできる人
以上より、非常勤講師をおすすめできるのは、以下のような人材です。
- 教員免許を持っている人
- 平日日中に働く時間がある人
- 副業や兼業として教育業をしたい人
- 学校で子どもたちと触れ合いたい人
教員免許を持っていないと働く資格さえ得られないのは、やはり大きなデメリットですよね。社会人になってから教員免許を取得する方法を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
https://www.oshieru.work/worker-teacher-license/
また、担任を持たないゆとりのある形で、学校という場で子どもたちと触れ合えるのは非常勤講師だけの強みです。
塾講師
非常勤講師に続いて、「塾講師」という働き方について解説していきます。
塾講師と聞くと学生アルバイトのようなイメージを持つかもしれませんが、ここで言う塾講師には塾を運営する側の社員も含まれるので、この点はご理解ください。
塾講師のメリット
- 教育とビジネスを両立できる
- 生徒だけでなく講師への教育もできる
- 学校よりも緩く生徒と触れ合える
塾講師の最大のメリットは、「教育とビジネスを両立できる」点です。公立学校で働く教員は公務員であり、なおかつ教師という職業がお堅いイメージもあって、ビジネスカラーはほとんどしません。
一方で、塾講師の場合は、根底にあるのは「教室や社内の利益」であるため、教育とビジネスを両立させる必要があります。これは非常に難しいことですが、同時にチャレンジングなことでもあるため、人によっては「面白そう」と感じるでしょう。
また、社員という形で教室運営を行うと、生徒だけでなく講師の人生にも関われるため、これもやりがいを感じられる一因になるかもしれません。
加えて、生徒との触れ合い方にも違いがあります。学校では、生徒の学習だけでなく、人間性や家族関係など、人生全体に包括的にアプローチしていくことになりますが、塾では学習だけにフォーカスすれば良いため、良くも悪くも「緩く関われる」のが特徴です。
塾講師のデメリット
- 教育よりもビジネスが優先される
- 夜型の生活になる
- 自由に授業や指導ができない
続いて塾講師のデメリットですが、塾講師で社員として働く以上、会社や上司の命令を基に仕事をする「サラリーマン」としての立場が何よりも優先されます。したがって、教育よりもビジネスが優先される場面が多く、ここに葛藤を覚える方が多いです。
実際、筆者が学生時代にアルバイトをしていた塾でも、社員が常に「サラリーマンと教育者の葛藤」に頭を悩ませていて、大変そうだなと強く感じていました。
また、塾のような教育サービスを提供する教育業界は、お客さまである生徒が帰宅する夕方以降から働き始めるため、総じて夜型の生活になります。日付をまたぐことも多々あったようで、ここも現場で社員を見ていて大変そうだなと感じたポイントです。
そして、「自由に授業や指導ができない」点も見逃せないデメリット。塾が指定した教材、テキストを用い、マニュアル化された授業を行うため、人によってはやりがいを削がれる一因になるかもしれません。
塾講師をおすすめできる人
以上より、塾講師をおすすめできるのはこんな人です。
- 教師のようなお堅い仕事はしたくない人
- 教育とビジネスを両立したい人
- 自分の理想とする教室を運営したい人
先述のように、塾講師は教師とはガラリと変わって、ビジネスカラーが強い職業です。したがって、教育だけでなくビジネス方面にも関心を持っているなら、塾講師、及び塾の社員は強くおすすめできます。
また、生徒だけでなく講師とも強く関わりを持てるため、自分の理想とする教室運営をしていける点は、塾だけの魅力です。
予備校講師
続いて、予備校講師について解説していきます。
予備校講師のメリット
- 大学受験に携われる
- 人気講師になれば大きくキャリアアップが可能
- 保護者対応が不要
予備校講師のメリットは上記の通りですが、大学受験に特化して携われるのは予備校講師だけの魅力です。
大学受験は義務教育課程と比較して非常に高度な知識が要求されるため、自分の専門分野を生徒に教えるのはやりがいがあります。中学受験や高校受験程度だと物足りない方にはピッタリかもしれません。
また、「キャリアアップ」という点では他よりも頭抜けています。本屋に行けば予備校や予備校講師監修のテキストが並んでいますし、バラエティ番組など映像分野への進出も狭き門ではありますが可能です。
あらゆる可能性が眠っている職業、それが予備校講師だと言えます。
予備校講師のデメリット
- 教育カラーが薄い
- 市場規模が減少傾向にある
- 弱肉強食の厳しい世界
続いて予備校講師のデメリットですが、教育業界の中では教育カラーが最も薄いです。予備校の授業は集団授業で、なおかつ生徒はとにかく「合格するため」という強い動機を持って授業を受けているので、成績向上以外のことに関わりにくい点をどう捉えるかで、予備校講師への見方は大きく変わってくるでしょう。
また、少子化や大学受験の見直しにより、大学受験市場の規模が縮小傾向にあることも見逃せません。とりわけ、従来型のペーパーテスト形式の受験スタイルは、推薦入試など「より多様な受験スタイル」に置き換わっていくのがスタンダードなので、少なくとも今後市場規模が大きく拡大する業界ではない点に注意が必要です。
予備校講師をおすすめできる人
以上より、予備校講師をおすすめできるのはこんな人です。
- 大学受験の指導がしたい人
- 大きなキャリアアップを希望する人
- 自分の実力を存分に発揮したい人
やはり「大学受験」に対してどれだけの思い入れがあるかどうかで、予備校講師へのおすすめ度は変わってきます。
また、予備校講師は良くも悪くも実力主義なので、実力がある講師はどんどんとのし上がっていくことが可能。キャリアアップや年収アップはお手のもので、これほど自分の実力を存分に発揮できる仕事は教育業界において唯一無二なので、自分の実力に絶対の自信を持っている人は、挑戦してみる価値は十分あると言えます。
家庭教師
最後に解説するのが「家庭教師」です。
家庭教師のメリット
- マンツーマン授業でとことん教育に携われる
- 使用テキストや授業方法が自由自在
- 小学生から高校生まで幅広く需要がある
家庭教師の最大のメリットは「マンツーマン授業」である点です。教育の理想は「生徒ひとりひとりに合ったきめ細やかな指導」ですが、学校や塾、予備校の集団授業スタイルでは実践するのが難しいのが現実。一部学習塾では「個別指導」を謳っていますが、実態は1対2や1対3の「準個別指導」です。
しかし、家庭教師は1対1の「完全個別指導」なので、とことん教育に携われます。
また、家庭教師の多くは業務委託契約で、契約元からの授業スタイルに対する縛り付けはほとんどありません。使用テキストや授業方法は自由自在で、自分の理想とするスタイルを追求できます。
加えて、塾は中学生、予備校は高校生と生徒に偏りがあるのに対し、家庭教師は小学生から高校生まで、幅広いニーズが存在します。色々な年代の子供たちと触れ合えるのは、家庭教師だけの魅力と言っても良いでしょう。
家庭教師のデメリット
- 本業にするには心もとない
- 保護者対応が必要
- 移動が必要
続いて家庭教師のデメリットですが、一部のプロ家庭教師を除き、本業にするには心もとない「安定性の低さ」が最大のネック。塾や予備校は運営者から授業が与えられますし、給与所得のサラリーマンであるため、簡単には失業しません。
しかし、家庭教師の多くは業務委託契約であるため、生徒がいなくなったとしても、代わりの生徒をすぐに融通してくれる保証はどこにもありません。各種保障や保険も適用にならず、自営業やフリーランスという形で人生を歩んでいくことになります。
また、他の仕事よりも積極的な保護者対応が必要になりますが、これはやりがいにもつながりますし、ほとんどの保護者は講師を大切に扱ってくれます。したがって、デメリットでもあり、メリットでもあります。
家庭教師をおすすめできる人
以上より、家庭教師をおすすめできるのはこんな人です。
- アルバイトや副業、兼業で教育に携わりたい人
- 自分の思い通りに授業をしたい人
- マンツーマンでとことん指導をしたい人
家庭教師を本業一本でやっていくのは難しいため、アルバイトや副業、兼業という形で教育に携わりたい人に強くおすすめできます。
また、テキストや指導方法を強く縛られず、マンツーマンでとことん指導したい人にもおすすめです。
副業や兼業としての「オンライン家庭教師」が最もおすすめ!
教育業界には教師以外にも多くの仕事がありますが、それぞれにメリットやデメリットがあるため、自分のライフスタイルに合ったものを選び、教育に携わっていくことが大切です。
一方で、これまでの教育業界は、「教育に携わるか、携わらないか」の2択しかなかったのが事実です。しかし、場所を選ばず授業ができる「オンライン家庭教師」の登場により、「本業の傍ら、副業として教育に携わる」ことが可能に。
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